『ジャック・デリダ』(田崎英明訳)

 土曜日に大学に出てきたら、田崎英明氏から本が届いていた。なんで私のごとき非才無学の輩が本をもらえるかというと、大学のサークルで一緒だったのである。コンパで飲み過ぎて、喫茶店でバーストアウト・リバースの時には、みんなでローゲーを手ですくって掃除してやったんである。だから、「デリダってだりだ?わはははは」などと言ってもおかしくないようなアホな私でも本がもらえるのである。ただいつももらえるわけじゃない。おそらくは近況報告も兼ねてのことかと思われる。
 田崎氏の学識のほどは言うまでもないだろう。学部時代、パーソンズマートンとミルズくらいしか学者の名前を知らなかったような私は、四つ下の田崎氏から、フーコールーマンドゥルーズデリダという名前を教えてもらい、さらにはマニアックな研究動向などを教えてもらった。けちくさいことはしない。ちょっとネタをふると最新の情報を惜しげもなく教えてくれた。受け売りをどこかで語ると、かならずと言っていいほど感心された。味を占めて私は、いろいろな情報・知識を田崎氏から得た。今では情報・知識の内容はあらかた忘れてしまった。しかし、嬉々として学問を語る姿は忘れられない。田崎氏がさまざまな論考を発表しだしたあとは、ほとんど音信不通に近いのだが。国立のロージナにいくと、慶応メディアコムのO氏らも交えて、都市論の研究会をしたときのことなどを思い出す。これも勉強のなかみは忘れてしまったが、ともに裕福な環境で育ったわけではなく、なけなしの金で買った本を数少ない本棚にどうやって少しでも多く冊数を入れるかだとかの話題で盛り上がったことなどははっきり覚えている。
 饒舌な知的健啖家というイメージもあるが、人が本当に落ち込んでいるときなどにかける一言は手短で的確だった。翻訳においては、そのような資質が存分に生かされ、行き届いた作品が多いように思う。ジジェクの訳書に「英語で読めない人もいるから」というような一言が書き添えてあったことが印象的である。今回の訳書は、青土社からでるシリーズの一冊である。まだめくった程度であるが、「愉快で挑発的な文体」とか、「思考の怪物性」とかいうのは、訳者についても、言い得て妙であるなあなどと思ってみたりもした。

ジャック・デリダ (シリーズ 現代思想ガイドブック)

ジャック・デリダ (シリーズ 現代思想ガイドブック)

内容(「BOOK」データベースより)
現代批評理論の震源デリダ脱構築差延、代補、自由、秘密、ドラッグ、贈与、来たるべき民主主義…。言語の厳密な経験から生まれたデリダの独創的な思考を読み通すために、愉快で挑発的な文体で書かれた、傑出した入門書。未来へと開かれた思考の怪物性。

 本をめくりながら、クピドの悪戯の録画をみた。今回も一見くりぃむしちゅーのたりらリラ〜ンのベタストーリーのようでもあったが、むっちゃんにプロポーズされた腐女子まがいのちゃんねぇ=秋山莉奈が妊娠騒動について「腹の中にちがう生き物がいるなんて思うと・・・」という台詞が非常に印象に残った。そのあとず〜〜〜〜〜っと仕事をして、キリのいいところまで仕上げて、食事に。葱坊主で久々の豆乳うどん。
 食後の休憩でネットをみていたら、「野見隆明」で日記にアクセスしている人が多い。なぜかと思ってログを見たら、検索結果の上の方にこの日記が出ている。しばらくみていたら、「働くおっさん劇場」は、続編だったことを知る。前編は、日曜日の早朝5時半くらいにやっていた「働くおっさん人形」というとんでもないもの。野見たちもその頃からなんだかんだやってきたんだな。日曜の早朝から、野見をみるのはすごすぎるものがあると思う。休日の5時台ですよ。朝の。吟詠とかやっている時間。wウィキペディアによると番組の概要は、「松本人志が、素人のおっさんをゲストに向かえ、別室からインタビュー形式で質問を投げかけていく、ヒューマンドキュメントバラエティである。当初はドキュメンタリーの趣が強く見られたが、徐々におっさん」の発言や行動に対して松本が苦笑する姿の映像が挿入されるなどした」。それにしても、こんどの続編で出ていない中野正次というのはどんな椰子だったんだろうか、ちょっと気になるのでした。