加藤正夫九段追悼番組

 昨日は遅くまでビデオを観てしまった。過去のドラマ。『顔』はやっぱりかなり(・∀・)イイ!!と思う。オダギリジョー仲間由紀恵もよいし、何度も言ったように六平直政はやっぱすごい椰子だとおもったわけだが、やはりまとめてみてみるとあの番組では余貴美子がとてもよいと思うのである。私はあのような役回りのキャラ萌えだなぁとつくづく思うのである。たとえば、ちょいと傾向はちがうけど、『やまとなでしこ』だと森口瑤子が馬鹿によくみえたりする。それは、上のきょうだいがいないせいかもしれないなぁなどとつくづく思う。なんかもってゆきようによっては、おねえさん系はかなり逝けるンじゃないかと思う今日この頃。香田証生さんの恋を、ベタベタベタベタに描いたどらまをみてみたい気もするが、やはりそれは映画の『智恵子抄』や、それを歌った歌謡曲「泣いて甘えたちえぇ〜こぉ〜♪」のような、室生犀星ならずとも怒髪天をつくような、冒涜以外のなにものでもないものになってしまうような気がしないでもない。
 朝起きて、今までごろごろテレビやなんかを観ていた。っていうか、昼のNHK囲碁トーナメント時間に放映された加藤正夫九段追悼「攻めの加藤・ヨセの加藤」が非常にインパクトがあったからだ。棋院理事長職にあり、激務のなか57歳の若さで病没された。本来は、NHKトーナメントを張栩名人・本因坊と闘う予定が、不戦敗になった。。そういうことになるであろうと思っていたら、はたして番組が組まれた。大竹英雄名誉碁聖石田芳夫九段、趙治勲二十五世本因坊小林光一NHK杯、武宮正樹九段。兄弟弟子とは言え、馬路すげーめんつが参集したものである。
 番組は、映像などを交えながら、各棋士が思い出を語った。最高齢記録で本因坊タイトルを獲得されたことや、一番長い期間なんらかのタイトルを保持していたという記録があるそうで、実年の充実がとりわけ印象的であると思う。それだけではなく、それぞれが加藤九段に負けた対局の解説をするという趣向は、やはり棋士にもっともふさわしい追悼の仕方だと思う。それによって、「泣いて甘えたちえぇ〜こぉ〜♪」みたいな話にはならず、棋譜によりながら、にこやかに手や芸やなにやかやを回想し、また自らの甘さを反省し、また容赦なく指摘し、美化することなく描き出された加藤正夫九段の姿は、重厚にして清冽であり、胸に迫るものがあった。ずっと泣くのをこらえている風だった小林光一九段は、最後にぶち切れて泣いてしまった。速攻2ちゃんをみたが、誰も冷やかしたり、ちゃちゃを入れたりしていなかったのは、ビックリしたし、また当然のことだと思った。趙治勲はあくまで碁を語り、武宮はあくまでさわやかであって、異次元にぶっ飛んで囲碁を追求しているんだなあということがわかり、西荻でときどきみかける大竹九段は長兄の節度を保っていた。
 しかし、私は石田芳夫九段の姿が、一番印象に残っている。趙治勲に碁のぬるさをボコボコに言われていて、真意を解した石田は苦笑していた。最年少本因坊。しかし、なぜかぬるくなった。よくわからないが、安全をねらうのではなく、ギリギリを追求すべきだということを、趙治勲はいっていた。あまりに長い休眠。囲碁界の庄司薫クンみたいなカンジ。最後言葉に詰まりながら、没後成績が上がっていることに触れ、「最高年齢本因坊の記録を抜きたい」と語った。橋本宇太郎や藤沢秀こうみたいな鬼のように強いぢぢいになって、馬路タイトルをとって欲しい。その時の石田九段の表情を是非ともみてみたいものである。