中高生の七割が本好き

Pikul

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 ずっと始発を続けてやる、と思っていなかったこともないのだが、さすがに体力が続かず、本日は8時台の電車に乗る。やはり鬼混んでいる。でもまあ、痴漢えん罪セーフティエリア=おっさんゾーンは、明確にわかるので、そこに飛び込めば安心である。
 同じように、ちょっと背が小さい篤実なおっさんがセーフティーゾーンに飛び込んだが、運悪く最後尾だったので、数人の若い女性がおっさんにおおいかぶさってきた。おっさん、猛然と手を上に上げるもぎゅうぎゅうやられて、うる星のてんちゃんのようにじたばたしている。しかし、そこでスイッチが入ったのか、クワッと目を見開き、小説蜘蛛の糸杜子春のようにつり革をつかみにいき、両手でしがみついた。真っ赤になっているおっさんは、なかなか絵になるものがあったが、大崎までの十数分前からグリグリやられている感じで、かなり心配していたが、直前の女性たちは自意識のない表情をしていたので、救われる気持ちだった。
 それはともかく、みくしのニュースに次のように書いてあった。読書好きの中高生が増えているんだという。ちょっと前までは、本を読まなくなったというのは、定番のニュースだったし、無読児童ということばまで使われていたのはウソのようだ。

 本を読むことが好きな中学・高校生の割合が7割を超え、8年前と比べともに10ポイント以上伸びたことが、毎日新聞が全国学図書館協議会の協力を得て26日まとめた「第55回学校読書調査」で分かった。


 本が好きな児童・生徒は、「好き」「どちらかといえば好き」を合わせ▽小学生82%▽中学生で76%▽高校生72%。同じ質問を83年、01年と行っており、それぞれ▽小学生82%、80%▽中学生62%、62%▽高校生59%、61%だった。83年から01年は小中高すべてで横ばいだったのが、今回、中高生で急増したことが分かる。


 これまで、小学生は3回の調査すべてで8割台の高率。調査は6月、全国の小中高111校を対象に実施し、小学4年生〜高校3年生1万564人から回答を得た。【山口昭】
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&id=1001410

 まあしかし、私もこれはなんか心当たりはある。一年生のクラスを持つと、概論の授業で、時々本屋だとか古本やのはなしをする。おメーラ、東京ウォーカーばっかり読んでいないで、Book Mapを嫁、みたいなことをいうわけ。神保町行ったって、どこがどういう古本屋だかシラネェだろ、これを読めばわかるのさ、とかやる。もっとも神保町の古本屋の上得意は司馬遼太郎みたいな人で、執筆調査依頼とコレクション、使用後のお引き取りというアフターサービスみたいなのが一番なのさ、みたいな話だとか。で、社会科学系の古本屋だとどこだと思う、とお約束のネタをフリ、高円寺都丸書店のはなしをする。阿佐ヶ谷のホームから見えるのは、直立不動で呑むべしの立ち飲み風太くん、そして高円寺のホームから見えるのが都丸書店、とか、特異の名調子で絶好調、みたいな。
 毎年やってきたんだが、あまり反応はない。完全スルーに近い。しかし、今年の受講者は、かなり多くの学生が、古本屋行く、本屋は好き、とか言っている。さらに、都丸にいってみたいとか、ブックマップ買いますとか。あるいはまた、面白い本屋、変わった本屋を紹介してくださいとか。なんかもうヴィレッジバンガード青山ブックセンターあたりはフォローしてます、みたいな勢いで、教育について現場でいろいろ工夫された結果として、なんか少しずついろんなことが起こっているのかもしれない、などと思った。そういえば、うちの隣の家にはすごくたくさん孫がいるのだが、みんな近くの市立図書館二位って本借りて読んでいるらしいし。