裁判員対象外

 某学会の書評を一つ引き受けて、それが翻訳書で、依頼原稿なんてそんなにないわけだし、もう猛烈に張り切って、気合い入れて原著まで入手して、仕事おっぱじめて、今年の夏は仕事三昧だぜ、と思っていたら、もう一つ書評を頼まれて、さらにちょっとした勢いで紀要に論文書くとこきまくり、さらには学内外の雑用、それもなんというか、書類つくったりチェキしたりという仕事で、さらにさらに採点がまだまだ残っていて、新学科の必修国際社会論受講者300人、必修社会学概論100人ぐらいとかあるわけだけど、後者はともかく、前者はワシの問題解いたら、わかってんだろうな、とか、書いてみたくもなる心境ながら、学生にのせられて、ビデオとかみせたから、安易に解いてくるヤツいるんだろうな、とか、はらはらどきどきです。
 それはともかく、裁判員制度について、893がらみのものは対象から外す、という報道があって、またまた考え込んでしまいました。デビー・ムーアだったかが主演の陪審員がガチで脅されるみたいな映画を昔みたことがありまして、まあさすがに事件によってはやばすぎるだろうな、とかその時は思う程度でした。と同時に、日本の場合、893映画とかみていると、組とためとかでクールポコ状況になったときは、とりあえず一晩大遊びして、でもって、自首するみたいな筋立てが基本であり、裁判とかになっても、とりあえず弁当喰ってハクつけてきます、みたいなことだとばかり思っていた。最近の893というのは、その辺のケジメとかオトシマエとかもなくなっているのか、とは思う。

 暴力団が被告となった殺人事件で、さいたま地検が「裁判員裁判の対象事件からの除外」を裁判所に申請する方針を固めたことが、波紋を呼んでいる。申請されるのは、裁判員らに被告からの“お礼参り”などの危険が及びかねない場合、裁判所の決定で適用される規定。しかし、適用が乱発されれば、「国民の視点を刑事裁判に反映する」という制度の趣旨を損ないかねない。法曹関係者からは「運用は厳格に行うべきだ」との声も出ている。(産経新聞)
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/citizen_judge_system/?1249010285

 まあしかし、制度的に言うと、もちろん私はシロウトが裁判に関わるべきではないという意見も捨てがたいとは思っているわけだが、それにしても、こういうことがあると、センの引き方がすごく難しいだろうし、なにか起こったときに、誰が責任をとるのか、という問題はすぐに思い浮かぶ。
 最近では、ある意味、893よりも一般ピープルのほうがこわい、とすら言える面もあるわけだろうし。まあ、まったくなにも起こらないということは、誰にも言えないことだけはたしかだろうな。
 出廷時手錠を外す、ということなんかも報道されたけど、まあたしかに予見を排すというのには必要だろうけどさ、レクター博士みたいなのが出てきたら、いきなり耳喰いに行くみたいな事件は、起こりうるんだろうし、なんか心配は心配である。
 素朴な疑問なんだが、やっぱり裁判員というのは、被告と直接対峙しなくちゃいけないものなのかね。覆面レスラーみたいにしろとは言わないよ。さすがに。タイガーマスクみたいなのがならんでいたら、裁判にならないだろうしね。でも、マジックミラーとか、なしなのかね。