パクリの課題 via MASUDAさん

 比較文化の講義で、コピペについて講義しました。コピペは一つの文化たり得るか?ということなどを考えてみようかと思ったのですが、社会人の受講者もいる講義なので、畢竟トーンダウンしがちでした。ともかく、Yahoo知恵袋などに質問して、答えをコピペするようなことが、いかにアホらしいか、「どっちがくさい」シリーズのように、そこにアホな質問がよせられていることもあり、それにベストアンサーとして珍妙な答えが付いていることもあり、でもって、アホな試験についての質問などは、ヲチャーがいて、リンクされて、2ちゃんとかでクソバカにされているぞ、みたいな話を一方でしました。
 まあでも、ラップみたいなレポートもありありだし、ということで、話はMADのほうに移行したわけです。そのあと、関係スタッフと話し合い、どうしたらコピペをさせないようにするか、ということがしばし話題になり、できないような課題を出すことと、することを前提に課題を出すことなどが語られました。ただ、後者をどう問題化するかは、わけわかめだったのですが、『音楽未来形』でおなじみの、未来派野郎マスダさんが、なんと見事に課題化されていたので、クリップしておきます。

09-06-25 「表現の政治学」レポート課題


文化的生産物の「オリジナリティ」と「模倣」の関係について新たな角度からの視点を獲得するために、文章テキストの作成過程に特殊な制約を設けた下記の課題を受講生に課することとする。
以下の二つのテーマの両方について、レポートを作成し提出せよ。


テーマ1:ここ20年程度の期間に生じた、著作権に関する事件や出来事について任意の一つをとりあげ、下記の執筆条件に厳密に従いつつ自由に論じたレポートを作成せよ。(2000字程度とするが分量超過は構わない)


テーマ2:テーマ1のレポートを作成した過程を振り返って、自由に感想を述べよ。(1000字以上で分量自由)


テーマ1の執筆条件:(以下の条件を満たさないと判断したレポートには単位を認定しないので留意のこと)


・完全な「パクリ」レポートとして作成せよ。書物や新聞記事、インターネット上に存在する任意の既存の文章を探し、組み合わせ、テーマ1の内容を過不足なく満たしたレポートを完成させること。その際、自分で独自に執筆した文章を一字一句たりとも交えてはならない。
・書物や新聞記事、インターネット上から、異なる出典を10カ所以上組み合わせること。出典が10カ所未満のレポートには単位を認めない。
・出典情報を厳密に記すこと。レポート内の文章のうちどこからどこまでが、どこからの出典であるかについて、レポートを読む者に一目瞭然のものとして理解でき、出典との相違がないか再検証できるように作成すること(その目的のために、どのような書式を用いたらよいかについては各自で調査・考案・工夫すること)。出典情報や出典の箇所が、不詳あるいは不明確なレポートには単位を認定しないので注意すること(この点については特に厳しく査定する)。
・出典から採られたオリジナルの文章を一字一句たりとも変更しないこと。句点や読点、誤字脱字に至るまで出典元と「まったく同じ」語の並びをレポートに用いること。
・当然のことながら、論旨や文章が支離滅裂なレポートには単位を認定しないので、上記の執筆条件に厳密に従った上でレポートの日本語文章としての全体的な完成度を高めるよう留意すること。


テーマ2の執筆条件:特に設けないが、自分の文章で執筆すること(こちらについては「パクリ」を禁じる)


提出日:7月27日5限目の最終授業時、授業冒頭で提出(これ以外の提出は認められない)
二つのテーマのレポートはホッチキスなどで一部にまとめること。用いる用紙はA4サイズとする。
http://homepage3.nifty.com/MASUDA/kobe2009/

 テーマ1の「一字一句変えるな」というフラストレーションが、テーマ2で炸裂して、なかなか読み応えのあるものが多く提出されたようです。さっそくパクってみようかと、思います。