三浦展『合格力』

 三浦展氏よりもう一冊。これも既刊本だが、和田秀樹との対談つきで、この対談がなかなか面白い。前にいただいたときも言ったのかもしれないが、これを読むと笑っちゃうくらい、うちの家は下流だったということを痛感するようなところは数多い。なんと言ってもうちはフジテレビのバラエティが大好きな一家で、何度も言っているようにチャンネルの8のランプが焼き切れてしまったくらいなのだ。

合格力 子どもの成績は親で決まる! (宝島SUGOI文庫)

合格力 子どもの成績は親で決まる! (宝島SUGOI文庫)

内容

差は親から子へと受け継がれる?
もはや公教育には期待できないのか?
データが浮き彫りにする日本の現状!


親が子のためにすべきこととは?


下流社会』の三浦展が、大規模調査の結果を踏まえて、格差社会の現実を細かく分析する。親の性格、学歴、職業、経済力や育て方などが、子どもの知力や体力、さらに学力・合格力にどう反映しているのか? 現状は、「格差が遺伝する」社会に限りなく近づいているのではないか? 「ゆとり教育」はそれをいっそう助長したのではないか? では親はどうすればいいのか? 巻末対談(ゲスト・和田秀樹氏)の突っ込んだ議論も必読!

目次

はじめに


第1章 子どもの成績は親の経済力に比例する
父親の所得が高いと子どもの成績はよい
貯蓄と子どもの成績も比例する
父親の所得が高いほど塾に通い、中学受験する子どもが多い
…ほか


第2章 母親が子どもの成績を左右する
母親の学歴や結婚前の所得が高いと子どもの成績がよい
高学歴、高所得だった女性ほど、お受験ママになりやすい?
母親の子ども時代の成績がよいと、子どもの成績もよい
…ほか


第3章 食生活が成績の上下を分ける
成績がよい子どもほど、食生活も健全
成績の悪い子どもほど、コンビニに依存
成績のよい子どもの母親の方が料理好き
…ほか
http://tkj.jp/book/?cd=70722901

 と同時に、変形して解釈してみると、けっして下流でない部分もあったのかもしれないとは思う。百科事典をみんなで読みつぶしたとか、ばあさんが「職人はからだが資本だし、いつ怪我をするかわからないから100万円くらいは貯金をしておけ」などと言っていたこととか、母親が料理学校でムニエルとか習ってくると祖父母は魚は塩焼きが一番と言って箸もつけなかったこととか、冷凍の魚を買ってきたらネコまたぎだと大げんかになったとか、安売り流通が始まって牛肉ですき焼きをしたら、「これは桜ナベか」と祖父母が言って大騒ぎになったとか・・・。うちの祖父母は、小学校もろくに出ていない人たちだったし、戦争の時には日本は負ける、一緒に死のうとか疎開先に子どもを迎えに行って軍人にすげえ怒られたりしたらしいが、ホンモノの食物を食べ、新聞なども一応読むことができ、余計な身内や自分の自慢はせず、また職人の腕を自慢することもなく、黙々と仕事をこなし、子どもを育て、悄然と逝った。その生き方の前では、たじろがざるを得ない。たぶん祖父母やうちの両親などは、フジテレビが好きだったにしても、下流ではないンだろうなぁ、と思う。で、まあどう見ても私は、下流なんだろうなぁと思う。w