忌野清志郎逝く。まいみくで日記に書いている人も多かったし、反響の大きさに正直言ってかなり驚いた。沈痛に報道される映像のバックで流されるのは、なぜか「雨あがりの夜空に」であって、しかもギンギンだぜ・・・こんな夜に・・・のところ。岡山大学のカラオケ研究会でよく振り付きでおげれつに歌ったことを思い出す。なんとなく気分はバカボンのパパなのであった。伝説つくったあとも、『ギフト』で妙な役をやっていたことなどを思い出した。あまりロケンロールなセーシュンじゃなかったので、心情的な思い入れはさほどのものではなく、たとえば河井英里の訃報などとは異質なものだが、やはりなんというかガンで夭折というのは、あまり他人事ではないなぁ、と思ったりもした。それにしても、サキヨミに出ているコメンテーターのプランパーが、なんか柳原可奈子みたいなしゃべり方で、笑ってしまった。
岩波明の新刊本を買う。アップツーデートな話題、社会的な関心の高い刑事事件などを題材にしながら、専門的な知見に基づいて、裁判員制度などもにらみ、専門家として言っておかなければならない、ということを、臆することなく述べている。
- 作者: 岩波明
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/04/17
- メディア: 新書
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たぶん、私の友人の何人かは、とんでもない内容が含まれている、などと言うのかもしれない。しかし、言われている内容は一つのスジが通っている。そして、よく「ハードボイルド」などと形容される筆致は、明晰であり、かつなにか不思議な魅力がある。自分が研究してきたサブカルチャーをめぐる議論というのは、煎じ詰めて言えば、「スティグマのポップ」に着目する、ということだと思う。しかし、この著者の書物を手にとると、いつも考え込んでしまう。
2年ゼミの最初の報告者が、難しい議論をこねくり回すより、とりあえず明解に解決できるところから議論をたててゆきたい、と自らの立場を説明していたのを思い出した。自分の病気をよくしたのも、そんな気持ちのもちようだったと思う。そしてまた、人を裁く会議のなかで、「スティグマのポップ」というのは、喩えようもなくタコであることだけはたしかであろう。