アド街をみて思いだした岡山80s

 新型インフルエンザがまだみつかっていないのは、オリンピック候補地のなかで、東京だけじゃないか、ということをみつけた。でも、それをアピールするのは、たぶん審査のマイナスになるだろうから、黙っているしかないだろう。それはともかく、アド街をみていて、岡山80sを思いだした。年老いたせいか、思い出話より楽しいものはなくなったような気もする。思い出すのは食い物屋が多い。
 かこーけん。駅前路地の奥にある、知る人ぞ知る中華料理屋。激辛のジャージャー麺は地獄色。何倍カレーとかがメディアに載るずっと前のやみいちのころから?、辛いもの自慢者には、とことん辛いものをつくってくれる。普通の中華を普通につくってくれる店で、おやじも偏屈さのかけらもないかんじだが、メディアが大嫌いなのか、タウン情報誌などが隠し撮りして載せると、一ヶ月くらいは平気で休業する。定休は不定期。博多の一部の店と同じで、「今日はやっていたよ」というのがファンの挨拶がわりのことば。テレビに出るわけもない。
 ぺーどおり。ワンタンとか餃子とかは、飲み屋に美味い店がある感じ。とーせんのオヤジも見かけは偏屈ではないが、相当なものと言われているらしい。カリッとして、二人前くらいはいける。五目そばが美味い。うっかり、横浜のタンメンに似ていると言ったら、聞こえちゃったみたいで、そう似ているだけ、と言われたときは震え上がりますた。千日前には見るからに怖い顔をしたジジイの店があったが、たぶん今存命なら100歳くらいだと思う。とーせんの横は、○平という店が多く、ぺー通りだと嘯いていたのが、てんぺーのおやじ。ここは土手焼きも有名。
 ひらしょく。こと、平田食事センター。上下ピンクのスウェットに、ドハデ背広ひっかけて、鬼染めの鬼ヘアセットしたカポーが、気合いだけで積丹したいっすみたいな、中古の軽四のシートたおしまくったやつを乗りつけて、おでんとラーメンあてに、・・・マジかよ、というような光景が、80年代には見られたものの、最近はゲーセンも綺麗になったみたいだし、改装して「平田歌謡スタジオ」@豪華8寅カラオケ仕様もなくなったみたいだし、ずいぶんとお行儀よくなったみたいじゃないですか、みたいなところはあるけど、県民のみならず、山陽道のトラック野郎なら知らぬものなしの休憩所。昔は下りラインじゃないと、ひらしょくじゃないといわれたけど。今は知らない。
 万歩書店。すごい昔の万歩書店は、ちり紙交換の車部隊が駐車していて、仕事してますっていうカンジだったけど、今はどうなんだろうか。今でも、すぐ横のカラオケ店の建物は健在なようだが、店はやっているのだろうか。前にも書いたが、岡山大学カラオケ研究会がテレビに出たときに、この店を使って、ボクらのマイマイクが特別プレゼンとされて、キープされていたんだが。それはともかく、「リサイクル」というコンセプトで、骨董やブランドも取り扱っていて、ネットサイトには「偽物の見分け方」なんてコーナーもあって、サブカルセンス炸裂というか、岡山にもロフトなんちゃらをつくろう、などというはんちくなサブカルセンスとは一線を画すような識見に富み、県外からも学識経験者その他がアクセスしているというのは、頼もしいかぎりじゃございませんか。古本は、たとえば恋愛本の痛い書き込みやセン引きこそが面白いということを、アテクシはこの本屋で学びましたが、これだけ洗練されてしまいますと、核爆セン引きものとか、いろいろなジャンルのコーナーとかありそうで、怖すぎますね。
 かくれめしや。岡山映画祭や映画制作でご活躍された小川孝雄さんに、話だけは聞いた店。この人こそが、岡山アンダーグラウンドの達人の一人だから、すごく行ってみたかったんだが、何度もご一緒して、気心が知れないと連れて行ってもらえないカンジだった。えへんさんのしりまくり、じゃねけったっけ、w のことだったら、笑えるけど。
 モンスターバー。市内各所には、新宿ゴールデン街もぶっ飛ぶような、すごいおねーさんたちがいるバーやスナックが点在しています。年齢や造作もさることながら、メイクというか、なんというかも、すごいものであり、値段もイリーガルではないものの、リーズナブルではない、というか、ある意味リーズナブルというか、すごいところでありましたが、県内知識人が集い、カラオケなんかも、一番英語、二番フランス語、三番中国語なんかに替え歌して歌うおっさんとか、すごいのがいましたね。モンスターではないが、十二時過ぎからバンドマンたちが自演でどんちゃん騒ぎする店とか、なんかいろいろあって楽しかったなぁ、みたいな。
 おかビル。アド街でも採り上げられましたが、フナミンチとか売っている川魚のお店とか、コアな品揃えは、すごいものがあることは、是非とも触れて欲しかった、みたいな。
 うどんや。表町のおよべはさすがに店の名前を覚えているけど、野田屋町の中銀裏の店とか、名もない名店がたくさんありましたね。中銀裏は太くて固い。
 岡大裏とか、周辺にある定食屋。おつりを渡すとき、手を握ってくれるねーさんのいる店とか、話題だったよなぁ。不知火とかゆったっけな。あと学裏のカツ丼屋は、生協開店に抗議して閉店したり、話題騒然。私が一番最初に行ったのは、現某学部長につれていってもらった、バス道路沿いのモトだかトモだかわすれた店。時々無性に食べたくなりますです。駅前のつるやとか、大衆食堂もけっこう充実していたと、今では思いますです。
 かさいやま。展望360度の絶景。真夜中には街頭もなく、真っ暗の鬼怖いところ。ここにバイク飛ばしていって、物思いにふける女子学生がいたよなぁ。今だったら、草むらにポリが隠れていて、というか警備してくれていて、怒られるだろうけど。心霊スポットという噂もあり、出るという点では、鷲羽山スカイラインと双璧だったような。
 おんせん。市内各所にある。とまだ温泉のりたけというのは、よくTVで宣伝していたが、気分は高松市古馬場越え、みたいな。ここに受験時は多くの受験生がとまっていたという、すごいかんじ。何度も言っている金甲山温泉は、あまりにコアで再訪したいくらいですが、いまでもあるんでしょうか。
 ペパーランド。拙著『サブカルチャー社会学』を参照。詩人の血も、手水も、ソープランド揉美山も、ここから出た。つーか、イカ天なんかがはじまるずっと前から、ライブしていたし。カレーが食いてぇ、と時々思う。
 怖いラーメン屋。すでに論じたので省略。動物園。ゾウの足が鎖でつながれていて、それをかわいそうとか、作文で書くと、ちょっとやばいらしい。
 仏壇屋。多い。夜中のCMはこればっか。
 青空。とんかつ。何度も書いた怖い顔の釣り好きのオヤジの店。なんかよくわからないけど、ここにしかない味。時々無性に喰いたくなる。
 焼き肉屋。
 局アナ。ハニカミ王子命名者、はまいえなど、けっこう面白い人が多い。
 和菓子屋。みずえ、宮雀などによくいく。みずえの若旦那は、読書会参加者で、なぜかよくバーを開店している。
 カラオケボックス。元祖だしな。充実している。舞台が付いているのがデフォルト。
 かけおちもん。津山が、かけおちもんの一番暮らしやすい街と言われているらしいが、ともかく市内の各所にあそこの店は・・・というのがあった。