Sを取る方法

 楽天の授業サイトを見ていたら、社会学概論についての口コミが載っていた。「(私の社会学概論の授業で)Sをとる方法」というのがあった。なかなか興味深かった。まずこのコメントですごいと思うのは、けっこう私が出席をちゃんと取っているのを見抜いているということだ。

みんなのキャンパスより

Sを取る方法。
?授業に出る。
?前の方に座る
?プリントをノートに貼り付け、とにかくメモする。
?授業は批判的に聞く
?テストの日にノートも提出する

 終わりころ来た人にも、「何番?出席にしておくから」みたいなことを言っているので、ベタに不公平と評価するムキもあるようだが、岡大教養部の400人の教室で講義をしていた経験を持つ私は、それなりに教室の位置どりや、出席状況を把握することができるのである。
 これは自慢話だが、授業の最初に出席を取りながら、返事をしてバックレそうなのを印をつけておいて、バックレたあとにもう一度そこだけとって、ピタッとあてて、受講者をビビらせたこともある。女子大はものすごくまじめな人が多い。それだけに、慣れない代返などをした場合は、すごくよくわかる。もちろん、さらに上をいく受講者も皆無ではないのだろうが、100人くらいなら出席を取っているうちにすべての人の名前くらいは覚えてしまうという先生もいるのである。私はどうかわからないけど。w
 まあそんなわけで、前の方に座る必要はないと思う。ただし、授業内容への反省を迫るようなキッチリとした質問をするとか、あるいはうーんと唸るようなことをコメントペーパーに書くとか、内容のあるアピールをして、勉強ができることをアピールする必要があるだろう。アピールするのは勉強していること、勉強ができることであって、子どものような甘ったれたいわゆる「試し行為」のようなことをするのは、いわゆるお色気ウッフン系であろうと、喧嘩ふっかけ系であろうと、意味のない相談質問つきまとい系であろうと、今日的な観点からは一種のハラスメントになりうると思う。ただ難しいのは、愚にもつかない質問をくり返しているうちに、ちゃんとした質問ができるようになることもある、ということだ。自分にも経験がある。
 ただし、教室のうしろのほうで授業を聴いていて、「忠犬ヅラ」は絶対にしない人のなかに、すごい答案を書くのもいる。ただまあそういう連中は、特にSを取りたいとは思わないだろうとは思うが。
 ノート提出というのは、上記のアピールの一つである。ノート以外にレポートを提出する人もいる。これは自由提出、自由課題で、試験の時だけでなく、いつ出してもいい。授業の卒論みたいなつもりで書くなら、卒論なみの指導をすることもある。というか、大学の授業というのは、そういうモンじゃないのか?
 概論の授業内容を批判的に聴くのはたいへんだと思うが、歓迎はしたい。
 人柄については、「変人ぶっている」とあった。鋭い洞察だと敬服した。ベタに「ヘンな人」だとか、「キモイ」だとか、挙げ句の果てには「無理」とか言うのがいて、っていうか、授業で「無理」はねぇだろ、と思いつつも、なんとなく納得してしまったりする。
 ヘンぶっているかどうか、わからないけど、自分は実にわざとらしい人間だとは思う。五歳くらいまでは、夕立で空が暗くなると真っ青になるような、神経質で暗いガキだったそうです。うちの親が、幼稚園の先生や小学校の先生に「みんなで笑いものにしてください」という恐ろしい注文をつけたために、荒療治がくり返され、すっかりお道化者になっちまったわけです。シビアな相談するときにも、馬鹿笑いしながらものを言ったり、ギャグを言って自分ウケするのも、そういう延長線上だと思います。必修科目でどうしても私の科目をとらなければならない人もいると思いますが、よろしくご理解下さいませ。