クイズ文

 仕事が終わって頭脳のクールダウンのために本屋を冷やかしていたら、うずたかく積まれた本があった。題名を見てぶっ飛んだ。『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』。なんか自分のために書かれた本じゃないかと思った。題名の付け方が上手い。「非論理的な人のための」というのが今っぽい。「知的・・・」という本が猛威をふるった頃と時代が違うんだな、とつくづく思う。あっちも、有名なチホー(呉智英)などは、知識人はワインを飲めとか、知識人はクーラーを入れろとか、「とんでも」みたいに言われたけど、考えてみると、正真正銘知識人の人のスノッブぶりを喝破した本みたいに読めないこともない。まあ、そうではなく、「俺も素敵だと思うから、みんなやっちゃえば」みたいな本だったわけだが。
 とまあ、こういう文章を書いてはいけないというのが、この本の主旨だろう。こういうだらだらだらだらした文を「日記文」というらしい。

内容紹介

 自分の考えたことを文章にして、読者に間違いなく伝えるには、どうすればいいのだろうか?


 そのためには、「クイズ文」という〈問題〉〈結論〉〈理由〉という形式に従った文章を書けばいい。
 なぜなら、この形式は、読者と一つの問題意識を共有し、かつ、読者を一つの結論に導くためのものだからだ。
 細かいことは脇において、ひとまずこの形式に落とし込んでいけば、誰でもすぐに、伝わる文章が書けるようになる。
 大学で文章の書き方とディベートを教えてきた著者が、実際に学生の文章を目覚ましく上達させた方法を惜しみなく公開する。

アマゾンのレビューより

By 教育学者 - レビューをすべて見る
物事を考えるには「問い」が必要であるとはよく言われるが、良い「問い」を考えることは思いのほか難しい。著者は考えることに慣れていない人にも混乱の無い様に豊富な事例を用いながら実践を通じて考え、書くということを読者に身に付けさせようとしている。


クイズ文、日記文というのは著者の造語であるが、それぞれの特徴を捉えており、頭に入りやすい。ビジネスの世界にいる人は、まずはクイズ文の書き方をマスターすべきだろう。問い・結論・理由というのは、万国共通、またどのような職種にも必要なフレームだからである。


筋道を立てて文章を書くということが学校教育で教えられていないことは事実で、多くのこの手の本の著者がそれを問題と考えている。なのに、学校で教えられるように動こうとする人がいないのはどうしてなのだろうか。不思議である。

 書いてあることは実にシンプルである。文章を書く場合の、「これだけで書けます」というトレース法をひとつだけ、じっくりわかりやすく書いてある。「たったひとつのトレース法」を著者は、「クイズ文」と名づけ、文章はなんでも「クイズ文で書け」と説く。クイズ文とは、<問題→結論→理由> の3つで構成される文章だ。たしかに400枚も答案を読んでいると、辟易する。なかには段落もなく、薄い鉛筆で書いてあり、キレそうになることもある。・・・・だろうか??・・・・だからだ。なぜなら・・・・。と書いてあると、すげえエッジが立ったように見えるかもしれない。
 「クイズ文で学ぶ社会学」とか出たりして。というか、こうやってだんだん大学教育も、法則化みたいなことまでいくんだろうか。でも、入試問題とか見ると、そんなに今の学生も「とりあえずクイズ脳をめざせ」みたいなことではないと思うけどね。w