日本社会学会前夜

 日曜日から日本社会学会で、土曜日に仙台へ向かう。電車の予約が夜だったので、時間に余裕があり、でもってここのところちょっと疲れていたので、豚肉でも食べようかと思い、なぜかポン太でとんかつを食べる決心をする。ここのは低温で揚げることで知られているが、究極の肉汁ジュワジュワ系のトンカツである。脂身がないのにたっぷり肉汁で感激する。上野のビッグスリーは、双葉とほうらいやとここなんだろうが、共通しているのはジュワっと系ということなんじゃないかと思う。「一口お塩で」と言われたので食べてみたら美味しかった。一方で、ケチャップもついているというのが、上野っぽいよね。ただ、ボクは衣バリバリ系がどうしても捨てきれない。
 でもって、新幹線に飛び乗ったら、上野から仙台までとまらないので驚いた。車中では、携帯マグでこーしーをちびちびやりながら、凸式の『意味とシステム』をちびちび読む。日頃思考がウニウニしていて、まあそれでもいーんじゃないか、みたいにぬるいことやっているわけだけど、学会で何かを学ぶには、それなりにエッジの立った思考をしなくちゃいけない。この本は、いきなりきゃんたまをグワシッっとひっつかまえにいくというようなくっきりした論調なので、内容的には理解が届かなくても、論理の流れに乗って読み進むだけでも、ぶったるんだ頭脳がリハビリされたカンジになっている。英米系の社会理論がどこかぬるい薄っぺらい劣化版にすぎない、みたいな論があるとすれば、英米系のずんべらグニグニした理論のアバウトさみたいなものの意味あいみたいなものは、やっぱ考えてみないといかんなぁとは思っている。
 一章読み終わって、ふーっと一息。とりあえずリハビリ終了!と思うと、まわりが都市の雰囲気になった。お、もう着いたかと思ったら福島で、そこから15分くらいで仙台に着いた。福島というのは、かなり仙台に近いということを再認識する。昔はよくこのあたりを夜行列車の急行八甲田や十和田で行き来したわけだが、実は新幹線ははじめてなのだ。前に東北大学で学会があったときは、神経症が最悪の状態で行かなかったことを感慨深く思い出した。仙台の駅前は、「岡山の失敗に学べ」と岡山の駅前開発を見学に来ただけのことはあり、倉敷駅のように二階の改札から、百貨店や通路への空中通路がつくってあり、降りるとバス停みたいなつくりかたになっている。しかし、やはりちょっと東京より寒いと思った。
 宿は、ドーミインというところ。仙台には、三つ四つあるみたいだ。ここは部屋はシャワールーム、上に温泉というつくりになっているところで、夏に大阪で泊まって、よかったので、こちらもそうする。へやが広い。ベッドがいい。細かい配慮が行き届いている。などが、理由かな。パソコン貸し出しがあるのを知る。もってくるんじゃなかったと後悔する。室内着が作務衣なのも、とてもよい感じだ。
 街をぶらぶらして、メシを喰いに行く。地方都市の商店街は、冷え込んでいるという話なのだが、さすがに東北の中心だけあってにぎやかだ。岡山だと天満屋が閉まると、シーンとしているが、ここは10時過ぎても人の流れがとぎれない。
 人の流れに乗って進むと、商店街から歓楽街へと進んだ。どっかで牛タンをと思ったが、そこら中に牛タンがあってわけわかめだった。前に来たときは、そんなものは食べられなかった。つーか、そんな名物があったことも知らなかった。その頃はどこの街に行っても餃子を喰っていた時代だ。国分寺というところに餃子専門店があったのだが、さすがに牛タンを喰いたかったので、断念する。適当に古そうなところに入る。はじめてチャレンジする。味噌と塩があって、野菜が付いていて、辛いこんぶがついていて、定食だとごはんとスープが付くってカンジみたいだ。美味しいことは美味しい。二皿喰った。最近あまり食べなくなっているので、まんぷくりんでさすがに気持ち悪くなった。