頭を空っぽにする

 とりあえず二本下書き完成。あと一本。それが問題なのだが、まああと一本はあと一本。若い頃は、アレも入れたい、コレも入れたいということで、詰め込みすぎて、わけわかめになることが多かったが、最近はそうでもなくなった。勉強不足でネタが足りないということもないではないとは思うけど、それよりは「あれもこれももりこみたい気持ち」というものが実に愚にもつかないものであることがなんとなくわかって来たということだとも思う。
 知識に酔ったり、図式に酔ったり、切れ味に酔ったり、人のアラはよく見えるわけで、ばっかぢゃね、とか思うと、あれオレぢゃんか、みたいに思うことが何度もあり、気をつけるようになると、読者や聴き手を前にして話すような気持ちで、ものが書けるようになってくる。というのは、まあ理屈で、講義一つ、ゼミ一つ、うまくいったこともないんだが、それでも最近は思い切り捨てられるようになったと思う。推敲は、未練たらしくぢくぢくやるのではなく、思い切って捨てることを考えるわけで、頭を空っぽにするために、二つ本を買ってきた。筆がのらなければ、寝ればいい。筆がのっていても、寝ればいい。寝るのがだるいなら、本を読むとか、パチンコでもすれば、そのうちなんとか書けるようになる。それでも書けなきゃ、まあしょうがないじゃん、みたいな。
 一冊は文学賞メッタ斬り4。読みたかったが、読むだけの余裕がなかったもの。とりあえずさらっと目を通す。このあと眼についたところを味読する手はず。頭を空っぽにするつもりで読み始めたが、困ったくらい面白い。ふつうはもう飽きた、くらいに言うのが、礼儀とすら言えるような第4作なんだが、面白いものはしょうがない。なんつぅか、面白かった頃の2ちゃんが、凝縮されているみたいなかんじ。前回の対談では暴力温泉芸者芥川賞をとれなかったことについて、オトされたやつといっしょに激怒していたのも記憶に新しいわけだが、まあ気持ちはよくわかるという人も多いんだろうね。今回は実際の受賞者が来て、対談している。あたしら業界通ですみたいなところで極論をゆっている姿は、「どうだ?宴会芸だろ」と言ってみせるくまだまさしのよう、でもないか。まあしかし、これでひと山あてたことはたしかだろう。ちょっと思いついて、2ちゃんにスレッドがないかみてみたんだが、イマイチ大人しい。メッタ斬りをメッタ斬りみたいなサイトとかないもんかねぇ。
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/book/1202742107/l50

文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編

文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編

 もう一冊は893裏社会本。横浜の家の近くのコンビニで。うちの近くのコンビニは、客層の趣味を反映してか、こういう書籍がガチでそろいまくっている。マンガ入りで、実に読みやすい。ネタは実話に基づいているらしいのだが、まあなかなか怖いものがある。なんで買ったかというと、まあ頭を空っぽにするにはいいかなと思ったこともあるのだが、それ以上にブラックマンさんの一件について、詳細なレポートがあったからだ。しかし、表紙の絵はすごいものがある。
[rakuten:book:13030739:detail]
 たけしの映画がまた話題になっている。みてみなきゃわからんし、みてみてもわからんのだろうが、それよりなによりおどろいたのは、音楽担当が梶浦由記になっていたことだ。映画音楽なんかやってんのかなと思ってみたら、この映画の前は例の「ふじのん」のやつで、かっぱそうじゃんかと思いきや、よく見るとけっこう仕事してるのね。まさか、今度の映画で最後に「ヤンマーニ ヤンマーニ ヤンマーニ ヤーイヤ」で、妙なダンスしまくりみたいなことは、ないんだろうと思うけど。ッテイウカ、どうオチがついてるのかね、この映画は、みたいに思う時点で、みてもわけわかめなんだろうけど。