近畿大学日本文化研究所『日本文化の鉱脈 茫洋と閃光と』

 ものすごく使い勝手がいいのでGoogle Mailを愛用して久しいが、最近なんか重くなっていて、よく見たらバージョンアップした感じ。家のほうのパソコンは、一応1ギガくらいのメモリはあるんだが、なんとも重い。気分はもうVistaで萎え萎えだった。こんなちんけな日記も、鬼チェキしていそうな会社だろ。ぐーぐるさんは。だったらさ、早急に解決して欲しいよ。
 堀田泉先生が、近畿大学大学文芸学部紀要に書かれた『社会学的想像力のためにの』書評抜刷を送っていただいた際に、もう一つご論考が添えてあり、それが単行書の一部で「面白い本があるので紹介します。図書館などで購入いただければ」というような主旨のことが添えてあった。ご配意がとてもうれしかった。さっそく注文してあったのがようやく大学に届いていた。

■内容説明
文学から歴史、思想まで、幅広い分野の研究者たちが自身の研究テーマを深く掘り下げ、その底に流れている日本文化の「本流」に光を当てようと試みた共同論集。日本文化研究所叢書第3巻。

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近畿大学日本文化研究所『日本文化の鉱脈 茫洋と閃光と』

■目次
Ⅰ――文学・歴史
 1 歌占と白大夫 菅江真澄白大夫説追攷  永池健二
 2 修験山伏と勧進芝居 豊後算所歌舞伎(肥前島原御前歌舞伎)を中心に  根井 浄
 3 近世の「面白し」 歌川広重の旅日記を読む 岸 文和
 4 人痘種痘法から牛痘種痘法移行にみる医の文化  李仁山シーボルト・梅浦修介等を通じて  古西義麿
 5 明治後期・大正期東京語の対称詞  永田高志
 6 孤独なる俳人・尾崎放哉 句集『大空』より  木村重起
 7 建築文化考 なにわ三題  楠田一夫
Ⅱ――思想・社会
 1 皇統論争の地下水脈・前方後円 日本文化と天皇制の基層研究(1)  黒田展之
 2 奄美母権制文化試考  清 眞人
 3 日本における消費組合思想の源流 現代に生きる明治社会主義  堀田 泉
 4 柳宗悦の近代への対峙  関口千佳
 5 大学・教養・修養  綱澤満昭
 6 生命・環境・アニミズム 現代神道の「生命文明」構想をめぐって  長崎誠人
http://www.fubaisha.com/search.cgi?mode=close_up&isbn=0540-8

 私はいただいた本をすべてここに書くというふうにしている。それはあくまで自己満足のためだ。自己満足というより、ここで取りあげて若干なりとも売れたら、いただいた申し訳なさが癒されるというカンジかもしれない。いただいた本だけでなく、読んだ本のこともとりあげるし、読んでいない本をハッタリで書くこともある、というかこの日記自体三百代言なわけだけど。w それはともかく、今日の出版事情を考えれば、印税契約の形態などによって、「買ってちょ」というのもアリだし、そういうものも書くようにしている。たとえば、左古輝人さんの近著が記憶に新しい。
 堀田先生が「面白い」といってくださった意味がわかったような気がした。副題をみて、ピリッと辛口の書評文を思い出したりもした。「間」の文化研究に面白いという意味もあるのだろうと思ったが、というより、非常に役にたつ論考がいくつかある。なんと言っても、後編の5がそれにあたる。学生が収容主義の卒論を書き、竹内洋筒井清忠の論考を上手くまとめ、他方で、加藤秀俊を呼んで実感主義についてまとめた卒論を書いた学生がいて、双方を比べて読んで、自分の主題にするという大成果にウハウハな今日この頃、このタイトルは垂涎なものがある。
 堀田先生のご論考は、私は三浦展マーケティング論を思い浮かべながらめくった。先生は、なんぢゃそりゃああと言われるかもしれない。しかし、おそらく三浦氏のほうは、わかってくれると思うし、それが正しい三浦本の読み方だと私は思っている。逝く道逝ききったら、またさらに卒論にもどる日も来るだろうと思うし。