山口勝業『日本経済のリスク・プレミアム』

 KOKIAのライブチケット抽選あたりました。そんなに倍率高くなかったのかなぁと思いつつも、ぬいぐるみなどを片手に、ぴんくの象ぱおぱお♪と口ずさみそうになってしまいました。山口勝業氏より新著をいただきました。同氏は、私たちの新著と同じ題名の卒論を書いた人で、題名をパクった件につきましては、新著にも書いたとおりなのですが、ご本人と飲み会をして笑談するということになり、たぶんええよ!ということではないかと思われます。

『日本経済のリスク・プレミアム―「見えざるリターン」を長期データから読み解く』

帯の紹介

 高い法人税のせいで株主は損していた?人気銘柄に投資しても儲からない?プラザ合意は失敗だった?ドル買い介入はイラク戦争への援護射撃?株価・金利・為替の長期データから日本経済と投資家行動を究明する。

目次

第1章 日本経済の変曲点
第2章 バブルとパニックはなぜ繰り返されるのか?
第3章 理論と現実‐どちらが間違いか?―経済学者を悩ます難問「リスク・プレミアム・パズル」
第4章 投資家はどれだけの報酬を要求しているか?―デマンド・サイドからみた株式リスク・プレミアム
第5章 企業の実力と株価は関係があるのか?―サプライ・サイドからみた株式リスク・プレミアム
第6章 市場は均衡しているか?―株式リスク・プレミアムのサプライとデマンド
第7章 負けるが勝ち!?なぜ業績の悪い会社の株価が上がるのか?―バリュー・プレミアム
第8章 小型株への投資リスクは報われるのか?―サイズ・プレミアムとアノマリー
第9章 日本国債の利回りは低すぎるか?―長期金利の期間プレミアムの構造
第10章 円ドル相場はいくらが適正か?―外国通貨にリスク・プレミアムは存在しない
第11章 金融市場の社会心理学―変動するリスク・プレミアムを読み解く行動ファイナンス

山口勝業[ヤマグチカツナリ]

 1955年生まれ。1979年一橋大学社会学部卒、1986年イェール大学経営大学院修士。1979年日本長期信用銀行入行。LTCB‐MASインベストメント・マネジメント、長銀投資顧問で株式ファンド・マネジャーを務め、2000年よりイボットソン・アソシエイツ・ジャパン(株)代表取締役社長。2003年より専修大学大学院経済学研究科客員教授を兼務。日本ファイナンス学会理事、日本証券アナリスト協会試験委員。1991年「アクティブ株式運用のためのエキスパート・システム」、2005年「わが国産業の株式期待リターンのサプライサイド推計」で証券アナリストジャーナル賞を2回受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8ER%8C%FB%8F%9F%8B%C6/list.html

 昔ミルズの研究会をいっしょにやっていた人ですが、ともかくよくできたですよね。在学中に英検1級、トフル600クリアしていたし、社会学だけではなく、経済学もものすごく勉強していたし、というか、経済学の科目をとりすぎて、当時履修の上限があったため、社会学部の単位が足りなくなった。教授会で審議してどうにかなったのだが、下手すると永久留年になっていたというのが、なつかしい笑い話です。ミルズについても、研究会で議論というよりは、パーソンズとの比較などを交えて、いろいろ教わることばかりで、チューターやってもらっていた感じです。
 赴任したばかりでゼミのなかった佐藤毅先生をつかまえて、何人かの学生たちと、「自主ゼミやってちょ」ということで、ミードを英語で読んでいたのを覚えています。それが佐藤ゼミ「0期生」というらしいです。私はそこに参加するほどのもんじゃなく、ウニウニしていたんですが、ともかく積極的でした。私は昔から消極的だし、いっしょにやっていると、自信がなくなる一方だったし。w
 当然進学するのかと思ったら、銀行に就職。まあただ、できるのは進学しないみたいな空気はあったかもしれないんだが、もっとぶっ飛ぶのは、銀行の内定全日に日頃活動していたバンドのオーディションがあり、それに受かっていたら、そっちに行っていたという話。
 本は、私に理解できるようなものではないとは思いますが、いろいろ刺激になる部分もあり、へぇ〜〜、とかゆいながら、めくっています。経済学と社会学の中間というか、そいういうあたりで、現場も踏まえて、投資という観点からものを論じているのは、私にとってはなかなか刺激的でした。10年以上アメリカで暮らした人であり、経済やファイナンスだけではなく、社会学社会心理学にも関心を持続しているというのは、貴重なことです。世界社会学会もあるかもしれないわけで、貴重な人材であると考えます。しかし、久々にイイ刺激を得ました。