『ニートって言うぜ:俗流若者論の反撃』

 いわゆるひとつのCフィーバーにはぶっ飛んだ。まあ何年か前の選挙の時の「若者に仕事を」というポスターはほんとうによくできていて、はじめてみたときはしばらくみていたからね。感銘を受けたというか。
 で、『ニートって言うぜ:俗流若者論の反撃』みたいなものが、そのうち出そうだと思うんだが、どうもそれはむしろ2ちゃんのスレッドにおいて成り立つ言説であるような気がする。あるいはブログに殴り書きして、誰かに叱られて、下手すると炎上してみたいなところでしか、成立しないノリなんじゃないかと思う。あらためて、文章にしようと思っても、そんなものは書けるもんではない。どうにも2ちゃんに毒されているとしか思えない。あらためて書いてみると、2ちゃんでも、スルーされるようなものにしかならないから、笑える。ちょっと書いてみると、出来の悪い学生のレポートのような、とってつけたような不自然で、何かをへたくそにパクッたものにすぎないような、わざとらしいものになってしまう。たとえばである。
 ところで、学食で食べた昼食の唐揚げは実にうまかった。がちな揚げ物はほんとうに久しぶりだ。さほどよいとは言えない揚げ油が五臓六腑に染み渡るようである。まんぷくりんで午睡をむさぼていると研究室の電話が鳴った。なんだよ、またセールスかよ。ぶち切ってやろうかと思ったら、編集者でやがんの。はいはい答案用紙付きの教科書作成の案内ですか、あれは売れますものね。でも、そういうのはもっとマンモス大学にいかないと、儲かりませんよと言おうとしたのだが、そうでもなさそうだ。名前を聞いたら、そこそこ知られた出版社であった。
 試験の答案とか、最近の学生さんはいろいろいらっしゃりますものね、甘ったれたやつが多いというか、ゆとりの教育とかゆうんですか、先生方もたいへんですよね、とかそいつがゆうので、むかつく記憶も生々しくアドレナリンが全開になりかかる。そういう昨今の若者を叱りつけるような本を出して欲しいんですよ、そうおっしゃる。叱りつける!なんと素敵な響きだろう。ミエミエ君だが、老後の金も必要だし、ちょっとばっかりのせられてやろうじゃないか、とか思わないこともなかった。
 ニートって言うな、というのがあるから、「ニートって言うぜ」みたいな??そうそう、って、もうとまんないよ。「俗流若者論の逆襲」、それ逝きましょうって、口からでまかせ言えばいいって、・・・もんなのかよ。まじで。まあ、柳の下のドジョウは何匹でもいるらしいからね。「へなちょこニートの大研究」、「ニート活用マニュアル」、「無気力ニートと呼ばれて」、「ニート男」、「ニート先生」、「ニートヴィジュアル系」、「ニート刑事(でか)」、「ニートマン」、「ときめきニート」、「くりーむニート」、「ファイナルニート」。わははは。くだらねぇ。思いつくのはなんのひねりもないパクリばっかり。そんなんなら、「昼下がりのニート」、「OLニート」、「ニートな熟女」、「ニート君もう我慢できないわ」とか、なんでもありまくりだろう。
 で、どう書くんだよ。そう簡単に思いつかないよ。俗流だからさ、テンパって叱りつければいいわけだろ。閣下系みたいな。私はニートが嫌いです ニートは幼稚で礼儀知らずで気分屋で前向きな姿勢と 無いものねだり 心変わりと 出来心で生きている 甘やかすとつけあがり 放ったらかすと悪のりする オジンだ ハゲだ デブだと はっきり□に出して人をはやしたてる無神経さ ・・・そんなカンジだろう??それからあと考えてない、というか替え歌すらできないよ。
 電波飛ばすのもなかなかたいへんだよ。溶鉱炉つくってたたき込めとか、過疎の村を日本のゴミ箱にして産廃も人Πもとか・・・めちゃくちゃなことを言い切らないとだめなんだろう。できるわけねぇぢゃんか。ニート再生プログラム「夕張ニートキャンプ」。ビリー隊長が、ニートを訓練して、山村工作隊にし、北海道の再開墾と食物自給率の向上。やっぱさ、みっちょんにしてもなんにしても電波でやっている人って、半端じゃないと思う。
 一つだけまじめに言うと、若者と仕事で両論あるわけだけど、若者と遊びのほうは、そんなにあるのかね?いずれにしても、ある意味私が一番ニートな気もするのであります。ものみなニートというか。