渡辺潤『ライフスタイルとアイデンティティ』

 最近スタバにはまっている。スタバなんてはまるもへったくれもないほどいろいろなところにあり、通院している大学病院にもあったりするわけで、うちの県に是非などと、署名まであったなどというのが、うそのようだけど、別にはまっているというのは、そこで読書をしたり、原稿を書いたりというようなことではなく、気付け薬というか、プールのあととかに濃いのをグイッと飲み干すと、シャキッとするのであった。カフェインがここのは鬼高いからね。ただ、甘いのはさすがに勘弁だ。一度キャラメルなんちゃらというのを呑んでゲロゲロになったし。店で買って、歩きながら呑む。散歩にも気合いが入るのであった。
 珈琲を一杯と言えば、渡辺潤さんだが、土曜日帰宅すると、郵便受けにその渡辺潤さんから『ライフスタイルとアイデンティティ』が届いていた。こちらから献本したらもしかして・・・と期待しなかったと言えばうそになるが、まさかその前にいただけるとは思わなかったので恐縮することしきりであった。ありがとうございました。これが上旬発売予定だから、こっちはあと半月くらいはかかるのだろうか。

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 好きな音楽を聴いて、好きな本を読む。はたらいて、遊んで、また一仕事。街のくらし、森の生活。コーヒーを、もう一杯。くらしのスタイルを選ぶこと、それはアイデンティティを探ること。一人の人間が心地よく生きる、それはどういうことなのか。著者自身のシンプルライフをもとに、考えなおす。

目次

1 ライフスタイルとスポーツ、そして音楽―スポーツと音楽の軌跡
2 ライフスタイルとアイデンティティポール・オースターの世界
3 ライフスタイルと身体―メディアとしてのからだ
4 ユートピアのライフスタイル―夢物語、理想、そして現実のデザイン
5 ライフスタイルの自覚―豊かさへの欲望と拒絶
6 ライフスタイルのユートピア―高度な消費社会の光と影
7 ライフスタイルの実践―生きることの経験

 渡辺さんというと、富士五湖近辺のログハウスに住み、ニューヨーク時代のミルズのようにバイクで通勤し、といったライフスタイルと、その生活が紡ぎ出したかのような文章がまず思い浮かぶというのが、普通であろう。しかし、私にとっては渡辺潤さんは、なによりも学生時代に熟読した『エロスの社会学』の訳者であり、アメリカの文化や思想の研究者である。ビートニク、ヒップスター、ヘイトアッシュベリー等々が生み出したスタイル、そしてライフスタイル、アイデンティティといった鍵語は、ヴェブレンやリンドの書物への視点を与えてくれるものであり、何よりもそこから、その方向で学ぶというのが、私の渡辺読解法である。諸々のご著作と同様に、スタイル、アイデンティティという世代の言葉を堅持していることにも注目しておきたい。靴やカヌーの写真からも感じ取れる生きられた思想のようなものの息吹に圧倒されつつ、自分の部屋の散らかり具合に爆(´・ω・`)ショボーンになってしまうのであった。
 本日はべら祭ということもあってか、8期生の人たちの同期会がございました。会場は、いつものお好み焼きまりや。ここのよいところは、場所がゆったりしていることと、あと時間が余裕があることで、二次会いらずといってもよろしいかと思います。後進を指導する苦労話などをきくのは、愚痴まじりの部分があっても、興味深いものがありますし、いい話を聞いたという感じでもありました。人間の成長を感じるのは、実に心地よいものがあります。少し多めに出して、「近所の図書館に購入請求してください」とちゃっかり頼んでしまった。
 この学年は地方の公立高校の出身者が多く、同期会だとか、学園祭などへの意識も独特のものがあり、興味深い物があります。在学中も、よく飲み会もありましたし、卒業間際には、三週連続オールコンパ、卒業式の日に12時間飲み会などをしたりしたことは、よき思い出です。べら祭の講演会などもチェックしていて、一人は、谷原章介講演会に行ってきたなどと語っておりました。というかよくチケット手に入ったもんだと思いますです。