一応大学の志望者が確定した。幸いにも昨年の数字を超えることはできたが、一昨年の数字には回復していない。この間いろいろ努力は重ねているつもりだが、さらにアピールし、また改善すべきは改善していかなければならない。社会学科では、少し出遅れたが社会調査士、専門社会調査士の資格が取得できるようにカリキュラムを改善した。経済学を体系的に学ぶコースがあって、そこでも資格を取れるようにした。経済学を学んで、かつ社会調査実習の講義が用意され、資格に対応できるところは、さほど多くないと思う。というか他にはあまりないと言いたいところだ。
他にも、ケンブリッジ大学での教養講座で単位認定が行えるようにしたこと、それをキャリア教育プログラムと連動し、他方で即戦力養成の英語プログラムなどをパワフルに展開するなどのことを行ってきた。まだ知れ渡っていないことも多いだろうが、広報をして、――あまり大学の伝統としては自己主張は嫌いだろうけれども、――各学科が「使える教養」(形容矛盾のオキシモーロンと言えば言えるわけだが、人間形成の現代的形態をふまえた教養)のプログラムを提起してゆくことになるんだろうと思う。
もちろんそれは、伝統の重みが持つ独特の格調を前提にした上でのことで、その辺のバランスは保たないと味わいがなくなる。独特の味わいは、まったくこれまで学外に主張してこなかったことだし、また主張しないことによって保たれていたことでもある。昨年秋の学会のおり、宿の予約が取れず日本旅館をとった。かつては一見さんお断りの町屋のなかに建つ隠れ宿といった風情であったらしい。それがちょっと経営方針を変化させたら、需要文化財となるような建築物を保つだけの利益を上げることができるようになったらしい。これからの時代、若干の努力は必要なのだろう。ぴったんこかんかんに出たことも、キャンパスの様子を見ていただくのにはよかったんじゃないかと思う。しかし、もっともキャンパスで美しい佇まいのところの一つは、まったく写されていない。ライシャワー(親のほう)が滞在した洋館のあたりの風景である。このあたりは学期中の平日にでも来て、教室や学食や図書館などとともに、見学していただければ幸いであります。
とあるまいみくから、ハピキャンとはまた別のレポート、卒論支援のためのポータルサイトを教わった。大学教員的に言えば、こういうのを使うのは「不正行為」にあたるというのが、大方の意見であるようだ。しかし、これを読んだ別のまいみくによると、レポートの書き方の記述は非常によくできているらしいので、読んでみたら確かによくかけている。ブラックなところでは、「正しいパクリ方」というコーナーがあり、そこで「メタパクリ法」なるものが紹介されていて笑ってしまった。露悪的ではあるが、言い得て妙な記述もたくさんみられる。テーマの見つけ方や、先生はなにをみているかという採点のポイント、立証の仕方などは、確かにうならせるものがある。
エントリーしてある作品も作品性が強調されていたりして、正しいパクリの奨励みたいなことになっており、それなりの実力のある人が使えば、効果があるかなぁなどとも思ってみたりもした。これはネットもそうで、検索力、運用力は実力次第であると、私は考えている。そして、絶対パクッてはいけないことがある。
全体のテーマ性とレビュー
なにが言いたいことか?それはこれまでどのように言われてきて、なにが言われてこなかったことか?それに対して、自分はどのような貢献をするような論を提示しているのか?いわゆる「レイコ」=レビュー、イシュー、コントリビューション。
理論構成と理論展開
論文の主題提示と展開の前提として、どのような理論構成で論を描いてゆくか?
派生的論点のアイディア、説明法
全体の論旨に関係なくても、細かいところまで含めたアイディア。
独創性、目玉
主に立証部。・・・その他多数。
全部じゃないかといわれるかもしれない。たしかに全部だよな。要するに、細かく引用すれば、ここを参考にするのはありじゃないかということに過ぎない。しかし、引用元が「ハピキャン」や「レポートレポート」っていうのは、ウィキペディアの比じゃないかもしれないね。