最近けっこう知り合いが本を出している。早く君たちも書けよと言うように送られてくる。今日はもう一冊、三浦展氏の著作が届いていた。題して下流同盟。とりあえず働いて、自分を見つけて、イイ消費しようという観点と、企業もちゃんと消費させるような経営理念、販売文化をつくんないとだめなんじゃないみたいな観点と、その双方をすりあわせ、それをマーケティングで使えるハンディなデータと、キレのいいコピーで表現するというスタイルは踏襲されている。量産体制始動ということだろう。前著の時にグローバライゼーションはどうなるか論じて欲しいみたいなことをここに書いたら、「それは朝日の仕事でやります」というメイルをいただいた。そして、よくみられる永遠の予告なんかじゃなく、あっという間に出た。目次をみればすぐわかるように、「グローバル〜ローカル」という図式が基本となって理論構成、理論展開がなされている。
アマゾンに好意的なレビューが載っている。「グローバル化への警鐘, 2006/12/13レビュアー: 刈上の星 (神奈川県横浜市) ベルリンの壁崩壊で始まった世界の市場経済化と、それによるグローバル化は、世界のあちこちで人々を苦しめている。日本では、折しもの長期不況と相まって人間にまで「勝ち組」と「負け組」ができてしまった。ワーキングプアが増大する格差社会、都市の繁栄と地方の疲弊こそ、そうしたグローバル化の結果だろう。三浦氏は、そうした社会を自らの造語「ファスト風土」と「下流社会」で斬りまくっている。本書では、日本のみならず、本家本元のアメリカ、それに抵抗するフランスの姿などに触れられていて新鮮味がある。安倍首相のいう「美しい国」には、なかなかなりそうもない日本の構造がわかりやすく描かれている」。
これで各論もそこそこ展開してしまったかなぁという感じだが、次はどんな展開になるのだろうか?マーケティングの原点に戻ってなにかを論じてゆくのか?それとも、怒濤の『下流対策マニュアル』をとりあえずぶちあげ、○○編みたいに展開してゆくのか?私としては、若者が「へなちょこな抵抗」をしてゆくとして、その核となる人格価値、社会意識のようなものに、ナイスなコピーをつけて欲しいと思うが、まあそれはあんまり商売にはならないのかなぁ。ボクらはロハスでもいいんだろうが、かれらはそうもいかないんだろうし。