思考法の本二冊

 慌ただしく次々の用事が入りにゃんともにんともな毎日。日曜はようやく一息で、黒百合姉妹のコンサートに行ったりもするわけだけど、前日はみっちり論文を書く予定が、授業の準備などで時間がズタズタでやる気がなくなり、本屋に行く。脳内サプリには新書だと思い、コーナーを見たら、かなり読みたい本がたくさんあり、特に古文単語のやつとか、こちらのコンプレックスにひりひりしみるのであるが、さらにひりひりな二冊を買った。面白い。一気に読んだ。

大学生の論文執筆法 (ちくま新書)

大学生の論文執筆法 (ちくま新書)

 石原本のほうは、二分法の読解法=○と×の基本語彙の習得を、論述法へと展開したもの。曰く、大学になったら二分法をじぶんでつくれなきゃだめだ。定評のあった『新釈現代文』の方法を現代に甦らせた著者が、大学生のために「たった一つの方法」で書くことを教えている。合コンとか携帯とかで遊びたいような奴は大学に来るなとか、年間何度も課題を出してそれをすべて添削して返すような努力ができないような教師は今や通用しないとか、刺激的な文言で、昨今の大学の様子も書かれていて、痛快である。
高校生のための論理思考トレーニング (ちくま新書)

高校生のための論理思考トレーニング (ちくま新書)

 横山本のほうは、定評あるロジカルリーディングの方法を「現代国語」という名の論理的=英語的内容の日本語で考える方法として提示し、英語教育の立場から国語力の育成について提言するという、こんな本があったらともどかしかった私のかゆいところをボリッと書くような本である。英語の思考法を、個別的乱取りでもなく、高度に抽象的な論理学でもなく、適度な抽象度において、印象的な例と、受験生の夢を刺激するような向学心のツボをつきながら、ストンと落ちるような読解法の公式集をつくって見せた著者の方法は、社会学教育に携わる者にも関心があったのだけど、公式の切れ味に感嘆しながらも、やっぱ英語の本だよなみたいなところはあった。これがビシッと思考法の本として書かれた本が出た。まだまだセンテンス、パラグラフの単位の本だが、もっと長い文章への予告もされていて、もちろん書いて欲しいという人は多いだろうからでるはずだし、でて欲しいわけだけど、すごく考えさせられることが多かった。と同時に、ますます本が書けなくなるかもしれないなぁ。w