伊藤守編『テレビニュースの社会学』

 自著執筆の合間、久しぶりに研究室の郵便受けをみたら、『テレビニュースの社会学』が届いていた。編者の伊藤さんの本は、この日記でも何度かとりあげた。ということは何度かいただいたわけで、恐縮している。ありがとうございました。伊藤さんは、フィスクの訳から、テレビ研究、そして巻町の原子力発電所をめぐる社会運動まで、多くの仕事をされていることは周知のことと思うが、今回はテレビニュースについての科研費共同研究の成果を公刊したものである。観点が明示され、自我、身体、メディア、ポピュラー文化、政治、グローバル化など主題のひろがりのポイントを押さえ、最後に簡単な通史と年表も添えられている。テレビニュースの現況の総括になっている。基本文献としての位置を占めることになると思われる。

テレビニュースの社会学―マルチモダリティ分析の実践

テレビニュースの社会学―マルチモダリティ分析の実践

目次

序 章 なぜ、いまニュース分析か[伊藤守]
第1章 ニュースのディスコース分析、マルチモダリティ分析[伊藤守]
第2章 テレビニュースの談話分析[藤田真文]
第3章 犯罪ニュースがかたどる生と死のかたち[清水瑞久]
第4章 ニュースに見られる女性身体の編制[岡井崇之]
第5章 スポーツとニュース[高橋徹
第6章 ポピュラー化するニュースとメディア・ポピュリズム[田中東子]
第7章 言説としての政治家[烏谷昌幸]
第8章 気象情報の国土論[小林直毅]
終 章 グローバル化の中のニュース番組とオーディエンス[藤田真文・小林直毅]
ニュース番組年表

内容

 テロップ、画像、音声、音響、キャスターをとらえるカメラ・アングルなど、多様なモードから作られたテレビのニュース番組。そのメディアとしての特質を見なおし、ディスコース分析による新たなニュース研究の枠組みと方法を提示する。
http://www.sekaishisosha.co.jp/cgi-bin/search.cgi?mode=display&style=full&isbn=1181-1
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