本日はオープンキャンパスだった。全体の大学説明や、学科ごとの相談などのほかに、本年から模擬授業を各学科でやると言うことになった。今までは、大教室で学部長他の説明があり、あと教員による相談ブースがある部屋、学生による相談ブースがある部屋などがもうけられ、相談にのるというかたちだった。これを今年は学科別の個室がつくられ、そこに各学科の教員、学生が配置され、またそこで模擬授業も行うというかたちになった。この長所は、学科ごとにオールインワンなので、部屋自体はわかりやすい。また学生と教員がいっしょになって説明するのは、聞く人たちにとってはわかりやすかったのではないかと思う。他方、部屋が広い範囲に分布するので、人の流れとしては、奥の方の部屋は損になるし、それだけでなく人が分散して、流れが散漫になる気はした。また部屋に誰もいないときは、かなり入室して相談する場合に入って来にくいということはあるように思う。
個別相談の質問は、入試に関すること、授業に関すること、就職に関することなどで、例年とあまりかわらない。うちの大学の相談の特徴は、自分の大学の長所を押し売りするのではなく、その人の関心を聞きながら、その関心に沿って、他の大学の学問上京なども交えながら、広い視野に立って相談するというようなところだろうなぁと思っている。なんとも商売っけのない大学だと思う人もいるかもしれないが、そんな大学でもかなり営業努力もはじめている。たとえば相談の学生が、女子大の手提げ袋を持っていた。資料の類を入れている。これまでは、紙の封筒のようなものに入れていたように思う。今年のはビニールの手提げに女子大のイラストが描いてあるきれいなものだ。それをけっこううれしそうにもっている高校生をみると、(・∀・)イイ!!と思った。
そんな努力の一つが模擬授業である。学科別に時間割が決めてあり、日に二回する。一回は30分。正直、聞く人いるのかなぁと思った。しかし、驚いたことに、この模擬授業のときだけ、学生や父母が各部屋に押しかけるっていうかんじなのである。個別相談より、、こっちを聞きたくて来ているとも言える。さながら民族大移動のように、学科から学科へと移動して模擬授業を聞いている。ワワワワワと思った。他の部屋をみると、ほとんどの先生がパワポでプレゼンをしている。こっちは手ぶら。プリントすらない。服装も襟付きではあるがポロシャツ。嗚呼。しかし、開きなおった「普段着の授業をやる」そう宣言。やったのは、社会学概論の一番最初にやる。ジェンダークイズ=医者は母親というオチのやつをまずぶちかまして、「あたりまえ」を疑う学問としての社会学を説明。それを「なめらかな世界」と「ごつごつした世界」論@『社会学に何ができるか』で、しっとりと敷衍。でもって、例解として埼玉大学のグループが『社会学評論』に発表した、車いすの人の買い物場面の会話分析を紹介して、社会学がどう役に立つかというようなことを私なりに単純化して説明。そのあと、いくつか類例を説明し、「あたりまえ」のシフトと社会学みたいなことを熱く語って、ちゃんちゃん。ピタリ30分。話自体は話慣れていたから、それなりのパフォーマンスは保障されているわけだけど、トランスクリプトなどを颯爽とパワポでプレゼンして、かちゃかちゃと画面をリズミカルに変えて説明したらかっちょよかったっただろうなぁと思いつつも、メカが苦手だからしょうがねぇと思い、最後にこの言い訳をした。「もろアキバという人もいますが私はメカが苦手です」と言ったら、すげーウケた。腹抱えて笑っている人もいる。ちょっとうれしかった。