SakuSakuがウケない

 昨日岡山駅に降り立った時はどうなることかと思った。ものすごい熱風を感じたからだ。もう夜の九時を回っていた。この時間になると関東では幾分すごしやすくなっている。宿まで少しの距離を歩いただけで汗が噴出した。しかし、一晩たってみると、だいぶしのぎやすくなっていた。予報は雨だった。とりあえず今のところは降っていない。今日から、講義である。日曜をはさんで四日間。学校に行ってみると何人か出てきている。少ない。しかし、なかなか話し好きな、楽しい学生が多い。教室に入るなり、「少ないしゼミ形式でやりましょう」などと言われ、なかなかいけるかもと思った。実際よくしゃべる。こっちが一方的に話しているとつまらなそうにしている。だからなるべくそれぞれにしゃべらせながら、講義を進行する。用語説明も何もかもそのような形式で進行することを決心した。
 一応用意したお台場明石城のビデオをみせることからはじめた。さんまちゃんの話芸ガ面白いこともあり、なかなか反応はよい。なんどみても、テレビ愛媛のエースは人のよさそうな人で、それだけに尖がった流線型の才気を出せずにいるように見えた。動じることなく、ねたを演じた感じすらした。学生の反応は悪くないが、いまいちって感じ。え?と思ったが、その後こちらが一方的にしゃべったことに原因があるように思う。発言したい人が何人かいるのである。で、なるべくキャッチボール方式で進めなければと反省した。
 そこまではよかったのだが、SakuSakuを午後ちょっと見せたのだが、いまいちウケない。実は、みはじめた時に私自身もちょっとウケないかもなぁと思っていた。それはこっちにきてみて、こっちの「間」を少しずつ思い出していることと無関係ではない。黒幕のノリは、普遍的に面白いとは思う。理屈ではわかる。でも、見ていると妙にさめていた。「これは今東京で一番旬な最先端の笑いです」みたいなことを言わないで、「神奈川のローカル局がつくった」という言い方をわざとしていたことも、おそらく手伝っていただろうとは思う。元気のいい連中は、ビデオが終わったら、半眠りになっていた。
 もっとも、少しずつ映像を止めて、説明ややり取りをしながら見たら、少し違うことになったような気もする。五時過ぎまでやって、後は質問タイムと思っていたが、そこからが話が弾みまくった。平田食事センターの話題をふったことから、話が盛り上がり、ダイエーがなくなったとか、トポスがなくなったとか、町の変化を教えてもらった。柳川交差点のトポスがなくなったのは、時代の変化を痛感する。トポスというものをはじめて知ったときに、裏の駐車場に止めて、あそこで安いものを買い捲るのは、ひとつの文化だと思った。明らかに安い。柳川のトポスは一時日本でもトップクラスの売り上げだったはずだ。それがなくなった。驚きだ。映画などもイオンに見に行く。岡山市内の映画館はちょっと落ち目。イオンなら、飯食ってお茶してショップで買い物をしてと、一まとめにできる。そんなことを言っていた。高円寺や西荻の雑然とした商店街のよさをどこまで伝えることができるだろうか。近くなら、松江の戦災にあっていない街並みと浜田真理子の活躍とか。
 結局時間いっぱいやってしまった。よくしゃべる人がいると楽しい。街の情報をいろいろ得られる。そこに社会学の話題をわかりやすくかぶせる。学生の分析もなかなか面白い。「昨日にぎやかだと思ったけど、やはり景気がよくなったのかなぁ?」と話をふったら、「国体でしょう」といわれた。そうだった。思い出した。他にも学ぶことが多く、楽しみだ。のりのりなら、ジュースやお菓子なども売店で買っていこうかと思うくらいだ。
 宿に帰って、外出し、およべでうどんを食う。その後久しぶりに岡山のパチンコ屋へ。CRエヴァンゲリオンで、6000発ほど。やはりスペックは、東京のモンスターモードではない。ミッションモードから、暴走モードになったが、二連荘三箱で終わりだった。
 昨日電車を降りたときには、むっと熱風を全身に感じてどうなるかと思ったが、今日は天候不順もありしのぎやすかった。このくらいなら、行きの上り坂もあるけそうだ。明日が終われば一日休み。女子大の卒業生が直島にグループで来ていて、予定が合えば飯でも食おうという話になっている。しかし、さすが日本の執筆はすすまない。まじいなぁ。