20世紀の社会学書 best10

 まいみくしの若手?ミルズ研究者中村好孝氏*1が、私がみくしにおったてたライト・ミルズこみゅに寄せられた記事。id:contractio さんが、さっそくクリップ。そちらでもコメントがあるとは思われますが、私としてはミルズが二位ということで、その訳書を品切れにしている紀伊國屋書店と、いくつかの社会学の古典を文庫にしようともしない岩波書店に対し、一定のメッセージを送りたく、あえて採りあげた次第、などとかっちょつけても、こんなとこ書いても誰もみてくんねーだろうけど、ゆっておきたいということであります。まあ、ミルズの本がどれだけ現代的に意味があるのかは、読み手にもよるでしょうし、そういう読みを中村さんや私は示さなくてはならないのだとは思うのですけれども、一応しゅー矢澤退官企画PROJECT_Yにおいて一定のプロレゴメナを発表し、さらに中村氏とコラボをはじめたいと思っておるところでございます。

International Sociological Association
Books of the Century
1. Weber, Max Economy and Society(20.9)
2. Mills, Charles Wright The Sociological Imagination(13.0)
3. Merton, Robert K. Social Theory and Social Structure(11.4)
4. Weber, Max The Protestant Ethic and the Spirit of Capitalism(10.3)
5. Berger, P.L. and Luckmann, T. The Social Construction of Reality(9,9)
6. Bourdieu, Pierre Distinction: A Social Critique of the Judgment of Taste(9.5)
7. Elias, Norbert The Civilizing Process(6.6)
8. Habermas, Jürgen The Theory of Communicative Action(6.4)
9. Parsons, Talcott The Structure of Social Action (6.2)
10. Goffman, Erving The Presentation of Self in Everyday Life(5.5)
http://www.ucm.es/info/isa/books/books10.htm
()内は%。

 でまあ、ミルズを離れてネタ的に言えば、なんぢゃあああこりゃああという人も多いのではないかと思われます。たしかに偏っている。デュルケムが一冊も入ってない。自殺論はたしか97年だから前世紀だとしても、『宗教生活の原初形態』はぱーぺき20世紀のはず。生前社会学史に名を残すことが約束され、「20世紀最高*2社会学者」の代名詞であるはずのパーソンズがSSA一冊。つーか、こんとらくちおさん的に言えばるーまそもガーフィンケルも入ってねぇってこともあるでしょうし。でもって、このページのひとつ上を見てみると、

アンケートの経緯

回答層別のクロス集計

   男女別×著作、著者
   年齢別×著作、著者
 http://www.ucm.es/info/isa/books/

などをみることができます。男女別で面白かったのは、女性が『社会学的想像力』が一位、男性では三位、著者では女性がウェーバーなのに対して、男性はパーソンズが一位になっております。年齢層別に見ると、56歳以上でマートンの『社会理論と社会構造』が一位になっていることと、45歳以下でルーマンフーコーが高くなっていることと、56歳以上でジンメルやデュルケムを支持する人が多いのが面白い現象です。またこのページからは11位〜900位以下までの著作と著者を見ることができます。イントロダクションというところをみると、アンケートの経緯などが記されております。

*1:たぶん今日本で一番ミルズについてちゃんと勉強している人だと思われ。またひきこもり研究もされていて、関東社会学会の年報に論考が掲載される予定とか。

*2:法の華みたいだけどさ。