今がわかる時代がわかる地図2005年度版

 年ごとに出るもので楽しみなのは、白書・年鑑の類だろう。前に『朝日キイワード』の姉妹編の『キイナンバー』という本に書かせていただいていた時期があり、けっこういろんな数字をひろう必要もあり、以前にも増して、そういったものを見るようになった。もちろんガキの頃から、少年年鑑などは学級文庫に入るのが楽しみだったし、大学受験のときは『国勢図会』のお世話になった。言うまでもなく、ザッピング読みで、あっちゃこっちゃめくっているうちに、ワクワクしてくる。他にも、地誌的な本はいくら読んでも飽きない。地図を前に置きながら、統計をみたり、その地域の人々の暮らし、産業、自然などなどを見ていると、時のたつのも忘れた。地理はだからなにもしなくてもできたし、地理学を志した時期もある。が、まあ縁がなかったというか、やめちゃった。
 昔はいろんな資料をひっくり返して、楽しんだわけだが、今はいろいろ盛り込んである地図帳の類が出ている。そして毎年更新される。今日本屋に行ったら、『今がわかる時代がわかる世界地図』『同日本地図』の2005年度版が出ていて、とりあえず買った。私的には、国別のデータとかが整理してある他のものが好きなのだが、何種類あっても悪くないと思う。これは、政治経済などなど以外にも、スポーツ、学問、世界遺産などなどが、ガイドブック風、面白ランキング風にまとめてある。専門家的にはかなりもの足りないものもあるけど、ザッピングするにはとてもよい。今はパソコンがあるので、いろんな街の情報が、サーフィンしてわかる。でも、これはかなり肩が凝る。寝る前に、地図帳をひろげて、ペラペラめくる。これがよいのである。東京の地図、岡山の地図、いろんな地図をめくる。資料集の付いた地図が、毎年更新され売り出されるのは実にうれしい。手に馴染み、寝ながら読んでもへっちゃらな電子ブック仕様のサーフ道具でもでれば別だが、やっぱりこの手は地図帳がよい。
 ただ、人がまとめたものはやっぱり読みにくいのも事実だ。受験の時に地理の対策として、系統地理と地誌をかけあわせたようなマトリックスを誰でもつくったわけだけど、きれいな表などはつくらなかった。今はパソコンがあるから、けっこう上手くできるのかもしれないけど、なんかもの足りなかったし、図表は魔物だからだ。つまり図表や美麗ノートのゲームが始動すると、わけわかめになる。で、両方の本を読んで、地図の上で重ね合わせた。これは一種の娯楽だったのだが、授業などで五大湖周辺の産業とか、ものの流れだとか人の流れだとかが説明されるのがすごく面白かったので、同じようなのをポイントごとにつくろうと思った。そうしたら入試の過去問が、そういうケースのサンプルであることに気づき、文字通り味読した。けっこうこの方法は、よいのではないかと思う。しかし、当時の地理は、こういうやり方では対応できないところもあった。慶應だったか、緯度と経度が書いてあって都市名書けですからね。ありえねーっすよね。
 まあでも地理の専門家にならないまでも、こういう勉強が生きないかと思うのだが、専門の論文を書くと、なんか薄っぺらいものになってしまう。反省しないといけない。それはともかく、なぜ歴史が苦手だったのか。たぶん先生との相性だとは思う。しかし、それ以前にザッピングするものがない。年表や歴史地図などは、けっこうそういう対象になるはずだが、やらなかった。今は少ししている。国際紛争地図だとか、浅井先生のアメリカの州別の本だとかは、ペラペラめくって楽しい。で、世界地図、日本地図姉妹品みたいなので歴史バージョンが欲しくなるのだが、やっぱよほど上手い切り口みつけないと、売れないんだろうなぁ。