FDと親への情報開示について

 卒業論文発表会に親御さんをご招待するということについて、id:dice-x さんちで話題になったことについて、id:june_t さんが別様の見地を提示している。父兄会、授業参観、家庭訪問などなどのことについて、私立大学はいろいろな試行を行い、制度化してきた。これに追随するかたちで、独立法人化される前の国立大学でも、そんなことをしてきていると聞いている。特に大学改革について高評価を連発している立命館のある関西地区では、この点での競争は激化しているようだ。また学部によっても、文学部的な体質のところは、こういう工夫にアレルギーがあるように思う。岡山大学でも文学部は、シラバスセメスター制度に猛反対していた。その辺の温度差もあるだろうけど、微妙な問題をいろいろ議論しておくことは重要なんだろうなあと思う。
 おまいはどうよ?と言われそうだが、結論を先に言って、考えるのはやだな。考えてみないとわからない。えっと、親にみられたくないと言った椰子。出会い系のサクラの調査をした椰子。「やらせ」と「マジ」をゴフマンで。。。というありきたりの論文だったけど、本人曰く。「親に知られたらまずい」と、卒業式で口止めされた。前にも言ったが、日サロは「あゆ」をやると言ったら、オヤジに「もっと賢そうなものやれ」とゆわれたらしい。かと思えば、学級崩壊のことで卒論を書いた椰子は、調査をやるといいだし、え?と思ったら、なんと親が小学校の学年主任で、一学年ぜんぶで調査をやってもらえるという。こんなチャンス二度とないと思ったから、三つ指ついて頼んでやってもらい、非常に有意義な検討をゼミですることができた。
 こういうことは、学校が強制することでないことはたしかだと思う。ただ、COLというのは、他の学校が手本になるような教育プロジェクトを提起して、そこに予算が付いて、教育実践をし、さらに・・・という、大学教育における一種の「法則化」−−向山洋一氏が言うような意味での−−をするということで、そのための企画書をいろいろ書いて行くことが重要で、その一貫としてよい企画書が書ければ、それはそれでよいと思う。逆に言えば、いろんな盲点を知ることは企画書を書く上で、重要な情報になるだろうと思う。COLは学部ぜんぶでやる必要はなく、一科目でもいいわけだろう。june_t 氏と私の母校では、「国立の街作り」みたいな地域連携授業が、それに認定されたみたいだし、ドクター孤島じゃないけど、長崎大学なんかは離島研修なんていうのが選ばれている。ちなみに今の私の勤務校は、女性学を中心としたカリキュラム展開というのでCOLに選ばれている。
 とまあ、あいかわらず歯切れの悪いことしか言えないと言うか、言わないと言うかだけど、うちはたぶん「先手をうつ」必要はないと思っている。たぶんやらないと思うから。ウチは、いい意味にも悪い意味にも、そういう意味での意欲が日本一欠けた大学なんじゃないかという気がする。同窓会もかなり批判的なんじゃないかなぁ。そういうことについて同窓生の方々は、人権云々じゃなく、非常にクラシックな美学からアレルギーだろうなと思うのだ。ただ、同窓生が見学できるというのには大賛成かもしれない。そして、それは何十倍もテリブルなことである。学生諸君も戦々恐々だろう。佐藤毅氏が、第二の就職で大東文化大学に就職したときに、卒業生ご招待があったんじゃなかったかなぁ。ビシッと指導したりしていたみたい。昔のお歴々が来られたら、私のような教師は叱られると思う。修論発表会はそんなカンジではあるんだけどね。