後期授業本格的に始動

 朝一で、鮎京正訓氏から電話があった。集中講義で一橋大学に来られていて、明日会おうというお誘いである。平生は大学院の指導や、大学の研究プロジェクトなどに追われていて、学部の講義などはおそらくあまりしていないと思われる。往年の話術が発揮できる機会がないとすれば、惜しいことだと思うし、久々に名調子が炸裂しているかしらなどと想像する。最近世知辛い学生さんが多くなり、雑談流が通用しなくなっていることを痛感している私にとり、鮎京氏の講義雑感を聞くのはとても楽しみである。
 で、そのまま起きてしまい、久々に東急インで食事をした。高いし、つい喰いすぎるので、なるべく行かないようにしているが、今日は非常勤で社会学史、そのあと午後ゼミと調査実習なので、栄養をつけようと思った。そのあとチャリで成蹊大学へ。急に転勤になり来られなくなった鈴木健之さんのピンチヒッターということで、非常勤をすることになったわけだ。非常勤失業中だったし、チャリでいける非常勤はありがたいので、もちろんやるやるやるやるということになり、うかがうことになった。鈴木さんは、アレグザーンダのもとで勉強した機能主義社会学を中心とした社会学理論、社会学史の専門家であり、さすがというシラバスを残されていた。一人一人について、時代背景、その人の学問の軌跡、重要概念、現代的意義を講義して行くという方法は、正攻法であり、かつ聴いてみたいなあと思わせる熟達のシラバスだった。そこから学びつつ、前期やった社会学史の教案を改善して行きたいと思っている。
 学生さんはとてもおとなしく、受講態度もよかった。知らなかったのだが、1年生次配当の講義ということを知る。それは緊張するなぁ。前期は2年以上だったのに、むずいだ、わけわかめだ、さんざんだったわけで、どうしたもんかと悩んでいる。しかし、ゆっくり、詰めこみすぎず話を刈り込んで行きたいと思っている。前期の反省で、授業中にいろいろ学生に話しかけたら、授業途中で集めた質問ペーパーに「緊張するから話しかけないで欲しい」という感想があって、笑ってしまった。あと「大木ボンドに似ていると言われませんか?」という質問があったので、「ナンシー関なら言われるけど」とゆった。フツーここでウケるんだけど、ウケなかった。はじめての経験。ウツだ。
 そのあと女子大のほうに戻り、書評の推敲に入った。まあたぶん締め切りには間に合うと思うが、よく読むと序論と終章をねっちりまとめて、あとは目次読みみたいなカンジになってしまっていて、トホホと思った。私に期待されているのは、理論的な書評ではないと思う。しかしそこについ話が行ってしまうのは、この本の理論的な魅力なのではないかと思う。
 で、3時間目からゼミ。タテノリコンパのあと、吉祥寺の繁華街のど真ん中で、「またね〜パパ」と大声で見送ってくれた逝ってよしな椰子らと久々に再会。あいかわらずテンションが高い。馬路さんまのU−18のなちゅみみたいなのが、雁首ならべているっつーかんじ。ゼミというのは通例議論が盛り上がらないものだが、ここは話が途切れたことがない。「課題図書の『社会学』と『反社会学』読んだだろうな!!」みたいな話をしたら、「そーいや、○○ちゃんがおもしろいとかゆってました」って、貴様はどーだっちゅうの。「他のゼミは3年の夏休みから卒論にとりかかっている」、「○○ゼミは、夏休みの課題図書8冊でそれぞれにレポート提出」などとサブイボが立つような情報が飛び交っている。まあしかし、ミニマムの課題とした調査票はつくってきたし、後期にテキストにすると言った『21世紀の現実』をみんな買ったり、注文したりしていた。私はかなり義理堅い人間なので、きちっと仁義は返すのであります。
 で、2時間ぶち抜きで、調査票の検討をしますた。居場所としてのアルバイトみたいな調査で、「アルバイトの職種」として、「調理」「接客」「教育」という選択肢はともかくとして、「警備」「土方」にはかなり笑いました。もうどっかからpakuったのみえみえなんだけど、もっと上手くやレッツーの。うちのゼミのなかでは比較的おとなしいグループだったので、よけい笑えました。さらに追い打ちをかけるように、ガングロパツキン日サロバイトなギャル系実は公務員教員志望の椰子が、「うち警備のバイトやろうと思った」と言ったのには、みんな目が点に。「コンサート会場のとかでしょ」とかフォローするのいたけど、「工事現場とかのっす」と、ガテンな気合いの毒気にあてられ、一同脱帽ですた。しかし、こいつらめちゃくちゃ就職はイイと思うよ。内定しまくると思う。