総合教育について

 この先生だけど、国語の先生だったんじゃないかなぁって思う。理由はないんだけど、他の科目で教わったことは怒られたこと以外はあまり覚えていないの。算数の計算間違い怒られたり、粘土でくだらないものつくって怒られたり、音楽で下品な替え歌つくって怒られたり。そうそう、体育の時間に、女子のブルマーはいて頭にもう一つ帽子みたいにしてかぶって学校中逃げ回って、先生総動員の大捕物。トッつかまって、そのまま校長室の前で半日正座させられたな。一番傑作だったのは、理科かな。稲作やったのよ。屋上で。で、実ったの。笑えるんだけどさ。屋上水田とかゆうことで、新聞に売り込んだら、記者が来たのね。稲刈りを写真に撮るってことで。だけど、ブルマー事件の悪ガキ連が、「コンバイン!!」とか絶叫して、あっとゆうまに稲刈りしちゃったわけ。先生マッカになって怒って、結局刈った稲を手に持って、刈るふりをして記事になったわけです。
 で、国語だけど、この先生はやっぱりかたちに残るものを生徒たちに持たせてやりたいと思っていたような気がする。文集なんてどこでもつくっていると思うけど、ガリ版刷りとか、そういうのもやらされた。うちの父親がガリ版とか鉄筆とか持っていたから、けっこうやらされた覚えがある。表紙とかもつくったし。けっこうみんな協力してやった。私はろくな作文を書かなかったけど、卒業間際「優等生との共演」という学芸会の思い出を書いたのが、けっこうほめられた覚えがある。西田洋二クンというものすごい優等生がいて、*15段階で全部ずっと5だったんじゃないかな。*2 これと学芸会で「クラゲのお使い」をやったのね。西田クンは主役の猿。アテクシは間抜けなクラゲの役。こんなところから人生分かれちゃっていたけど、彼はなかなかイイ椰子だった。。。みたいなのが作文の主旨だけど、けっこう先生のツボだったみたい。
 これ以外にも、先生は新聞の投稿を推進した。特に『朝日新聞』の「小さな目」という子どもの観察眼を素朴に詩にしたようなものを毎日載せていたコーナーに、みんなを投稿させていた。私も二回載った。大人はなぜタバコを吸うの?吸うのはいいけど、ポイはいけないなぁみたいなのと、ガケッコでいつもビリなので悲すぃみたいなの。おぼろげにも覚えているんだから、教育って重要だよね。
 で、これからが総合学習の話だけど、スゴイ難しく労力がいると思う。この先生がやった文集づくりとか、投稿だとか、そういうのも一種の総合学習だと思うけど、やっぱ最後の学芸会でやった演劇がその典型だと思う。これは前にも書いたことだけど繰り返し書く。最後にやったんだから、たぶんこの先生は教育の集大成のつもりだったんじゃないかと思うんだな。これが、半端じゃなかった。シナリオづくりから、舞台装置、衣装お面の類、それからBGMとかまで自分たちでつくるわけ。BGMっていうのは、演奏するとかゆうのじゃなくて、作詞作曲からする。オルガンと合唱にしたんだったな。シナリオも、図書館に行って原作になりそうなのを探させて、それからシナリオにする。既成の脚本じゃないんだけどね。この先生演劇やってたのかなぁとか、ふと思った。これに予算の計算とか、経理とかやれば算数なんだろうけど、それはなかったと思う。ドライアイス水につけて、煙を出せば理科だろうけど、そういうわざとらしい工夫もなかった。で、結局できあがって、学芸会やったけど、その時のことはあまり覚えてない。たいした作品じゃなかったと思う。それなりのものなら、たぶん新聞とか呼んだだろうし。だけど色々やったことはスゴイ思い出になっている。こういうことをやって、アフターフォローを積み重ねれば、たぶんイイ教育になるっていうのが、総合学習なのかな。けっこういけてたと思う。
 私に言えるのはここまでで、あまり教育について、偉そうなことは言えないのは、上を読んでもわかるだろう。正直自分を創ってくれたのは、体罰と九九かもしれないとか思っているところもどこかあるしね。岡山時代、「オレみたいなのはぶん殴られなきゃだめだったんだよなぁ」とかノリノリで話していた椰子の一人が教員試験受けて、面接でその椰子「体罰が必要なときもある」とか言って、厳重注意されたらしい。幸い熱血漢の彼は合格して、イイ教員になったみたいだけど。*3
 もう一つは予備校とか行ってみたかったなぁと思っている。貧乏なのに県でもものすごく月謝の高い私立学校行ったから、塾とか予備校とか行く余裕なかった。行った連中に聞くと、なんか学校とは違う見識みたいなものをそこで得ているんだよね。どこの予備校にもスゴイ先生がいるわけだし。

*1:国立の中学高校から東大に行き、経済学者になったが、夭逝した。

*2:当時は5段階の成績だった。アテクシなんかは、5はそんなになく、あっても家庭科とか音楽だった。当時は1学期の学級委員をやるのが、優等生でこれがほとんどオール5なの。で残った5の枠をその他大勢が分け合うわけ。アテクシたちはそのおこぼれにあずかったくち。

*3:彼は、準備の勉強で、指導要領みたいなのを丸暗記していた。みんなやっているとかゆってたが、あんなの意味あるのかねぇ。