南田勝也・矢田部圭介・山下怜子『ゼミで学ぶスタディスキル』

 南田勝也さんより本をいただいた。ここのところまた仕事が立て込んでいて、お礼が遅れている。心より感謝申し上げたいと思う。
 おもな内容は次の通りである。

ゼミで学ぶスタディスキル

ゼミで学ぶスタディスキル

目次

大学に入ったら
ノートのとり方
要約の仕方
図書館を利用しよう
本のレビューとレコメンド
レポート作成(問題設定)
アウトラインの作成
先行研究の調査
二次資料を利用した調査編
実査編
ワークショップ調査編
引用・参考文献の作成)
レポート課題提出と反省点の振り返り
レジュメの作成
自説発表と議論

 内容については、出版社が非常に気合いの入ったサイトをつくっている。目次の詳細がさらに細かく説明されており、また動画や画像入りで、本の内容を手っ取り早くさっと読みできる。
http://hokuju.jp/books/view.cgi?cmd=dp&num=757&Tfile=Data

 同種の本としてまず想起されるのは、ソキウスの野村一夫さんの『社会学の作法』である。角度は違うが、同様な本は東谷護さんも執筆されている。南田先生ともどもポピュラー音楽学会をリードする研究者であることはなかなか興味深い。
 本書は南田さんの単著ではなく、同僚のお二人との共著である。また、内容を見てみると、武蔵大学社会学部の全面協力の下につくられていることがわかる。武蔵といえば、「ゼミの武蔵」というのは、電車から見える看板にも書いてある。その看板カリキュラムについて、一つの識見を示し、世の評価を問うていることは、気迫十分の作品であると思う。
 具体的な課題が随所に示されており、また巻末には課題シートも添えてある。楽内的には、ウェッブサイトその他も稼働しているとすれば、すごい鍛え上げがなされることは想像に難くない。たいへんな苦労だろう。しかし、教員たちが協力して生き生きと楽しそうに活動している姿が眼に浮かぶようであった。うらやましくもあるし、また敬意を覚えた。
 ゼミで学ぶ社会学スキル、ゼミで学ぶ社会調査スキル、ゼミで学ぶ・・・と連発していけば、北樹出版さんもウハウハだろうし、それ以上に武蔵大学はたいへんな競争力を得ることになるだろう。しかし、ワシは、なにが書けるんだろうか。ゼミで学ぶ雑談スキル。ゼミで学ぶギャグスキル。とりあえず、1年ゼミじゃなく、4年ゼミと院ゼミでの採用を検討しているアホ教師な自分にとほほ。