『ジョーカー 許されざる捜査官』

Welcome to Sa-World(初回生産限定盤)(DVD付)

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 とりあえず夏ドラマ一通り全部見ようと思って、『ジョーカー 許されざる捜査官』みますた。かねてよりここでも藤田まことのあとに仕置き人ができる俳優としては堺雅人しかいないんじゃないか、みたいなことをゆっていて、でもって、ドラマの副題を見たら、やっぱりそうじゃないかと思い、時代劇じゃないと萎え萎えかもなぁ、と思いつつ、見てみることにしたのでした。
 おいおいおいおい、「仏の伊達さん」というのは、いくら何でも紋切り型がすぎないかと思って見始めると、刑事ドラマ自体は鬼のように紋切り型で、まあなんというか伝統的火サスぢゃね?とか言いたいくらい、崖上のクライマックス的な悪寒がするようにつくっているんだが、そこに仕置き人の狂気な心理が挿入されていて、同時進行するって具合。設定が神奈川県警で、うちの近くもいろいろ出てきそう。

 伊達一義は、昼間は温厚で物腰も柔らかく「仏の伊達さん」と呼ばれる気弱な刑事だが、夜ともなると冷酷な「無法の番人」となり、法の目を逃れる凶悪犯に正義の鉄槌を下す。本作は、そんな2つの顔を持つ主人公が活躍する異色の勧善懲悪型刑事ドラマだ。主人公の伊達に扮するのは、個性派俳優の堺雅人。堺にとってはゴールデンタイムでの連続ドラマの主演も刑事役も初めて。刑事役と聞いて最初は「戸惑いと違和感を覚えた」そうだが、内容を聞いて意欲が湧いてきたという。共演の錦戸亮は心に傷を持つ青年鑑識官に、杏は伊達とコンビを組む新人刑事にそれぞれ扮する。刑事ドラマの範疇に留まらない痛快作の誕生となりそうだ!


ストーリー
 鶴見川の河川敷で少年(貴島康成)の射殺死体が発見される。鑑識課員の久遠健志(錦戸亮)らが現場を調べていると、神奈川県警捜査一課警部の伊達一義(堺雅人)が到着。続いて、ミニパトをタクシー代わりに使って、キャリアの新人女性刑事・宮城あすか(杏)が現れる。犯人は、殺害前に少年の両手両足を紐で縛り、意図的に急所を外して腕と腿を撃ったらしい。殺害されたのは、2日前にデパートで行方不明になった少年で、検視の結果、エアガンを改造した銃で撃たれたことが判明。捜査の過程で、少年が行方不明になる直前、黒いパーカーを着た若者に絡まれていたという目撃情報が寄せられる。そんな中、改造銃を作ったという男が出頭してくる
http://features.tv.jp.msn.com/special/1006dramanavi/00000163.htm

 スタイリッシュな仕置き人の様式美でやるのかと思ったら、そうじゃなくって、こりゃあさ、もう憎しみシュールに増幅系の鬼のようなことになっている。狂気の具合は、真珠夫人かボタンと薔薇かはたまた嫉妬の香りかってぐあいで、倒潰テレビの制作かよと思ったらそうじゃないのでワロタ。つーか、酒井って、嫉妬の香りにも出てたんぢゃね?オダギリジョーが狂気なあんちゃんでこっぱやってたやつ。
 この憎しみのあおり具合は、かつて見たテロリストの映画みたい。ここでも何度も書いたが暴虐の限りを尽くしたテロリストが最後にタイーホされてちゃんちゃん、かと思ったら、そこに民衆が襲いかかりたこなぐりにして殺しちゃう映画なんだけど、暴力いけないとか思ってテロリストへの憎しみを極限まで煽っておいて、たこなぐりのシーンで思わずみている人に「殺せ!」とか叫ばせて、血圧急上昇させて、鬼のような悪い後味味あわせるという『バラクーダ』どころじゃない悪い後味、っていうか、見たあと興奮して一晩眠れなかったようなすごい映画。
 そのくらい憎しみを煽るのね。このジョーカーも。この悪役がまたすごい演出になっていて、細田よしひこ頑張ってます、みたいな感じで、弱い椰子が弱い椰子をモデルガンで撃っていて、それがエスカレートして処刑ゲームしてしまいますたみたいな狂気を、シュールというんじゃすまないくらにしつこくしつこくしつこくしつこく描いていくのね。でもって被害にあったガキの親までもがもてあそばれ続ける。でも、偉いさんの子どもだからタイーホされない。法では裁けない!!ってあり得ない設定だけど、まあその辺は娯楽ドラマだから置いておく。犯人の狂気とともに、ガキへの愛もしつこくしつこくしつこくくり返し描かれる。ガキの乗っていたチャリンコとか、絵とか、まあありがちと思っていたら、最後に出てきたガキの絵には、あまりの紋切り型に、思わず正直笑っちゃった。一家の絵が描かれていて、「パパとママとずっといたいよぉ〜〜」とか字が書いてあるのね。中学の時に美術の宿題で蝉の絵を描いてミ〜ンミンとロゴを書いた絵のインパクトを思いだした。その字体が絶妙ってこともあるが、いたいよぉ〜〜が痛いおおおおにもみえたりして企みが深い。最後に始末が終わったあともこれが出てきちゃったりする。
 しつこくしつこくしつこくえんしゅつされるのは、こういったことだけじゃなく、酒井の演技力もそう。最初っから歌舞伎まくりで、ここまでひつこくやらなくても、視聴者に伝わるんじゃないの、とか思ったけど、それどころじゃなく演技が暴走しまくる。仕置きもスタイリッシュじゃなくて、子どもの頃の原体験が炸裂するみたいなことになっているわけだけど、まあともかくオリジナルストーリーってこともあるらしいけど、新しいところ狙っていて、もしかすると話題作になっちゃうかもしれない。まあ、この時代だし、女優が横山めぐみってほどじゃないから、そんな沢山の人が見るとは思わないけど。

細田よしひこ忍成修吾塚本高史 この三人似ていませんか。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1218636837
実はさっきまで細田とおしなりを混同しておった。っていうか、おしなりかとおもっていた。w