ホルマリン漬け

love deluxe

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 週二回一限があるので、その日は湘南新宿ラインの始発で出勤する。で、今週は週末に土日と校務があって、それも始発で出勤した。めんどくさいので、もうこうなったら始発で出勤しまくってやる、とか思わないこともない。母校のS先生は六時に起きて、どんな日も欠かさず12時までみっちり六時間勉強するという話を聴いた。そういえば良知力が1日6時間6年間やれば、ひよこの卵くらいにはなれると、大学院のオリテで言っていたのを思いだした。恩師の佐藤毅先生がその話をご家族にしたところ、ぢゃあパパは・・・とおっそろしいことをゆわれたという話もついでに思いだしたが、まあそういうことを学生に自慢げに言う人は、けっこう屈折してシコシコ勉強しているもんだろうと今では思う。
 それはともかく、みくしで見たんだが、むかし金がいいんでやらないか、みたいんかならずいわれたのが、医学の実験台みたいなのをやる治験とかゆうばいとと、脊髄液抜かせるバイトと、あと死体洗いのバイトだ。ホルマリンに漬けた死体を引っぱり出して、洗って元に戻すというバイト。ホルマリンにたぷたぷ漬かったヤツを引っぱり出して、「いよう!」とか挨拶して、たわしでごしごしみたいなのかな、とか思っていたが、それは都市伝説だとかゆうニュースがみくしにのっていた。

まず「死体洗い...」について宇佐氏は「47都道府県の病院にアトランダムに電話を入れ、死体洗いのバイトはあるかを尋ねたが、いずれの病院からも『ノー』という答えが返ってきた」という自らのリサーチ結果を披露。その上でこの都市伝説は「1957年に大江健三郎が発表した『死者の奢り』という小説の主人公が死体置き場でアルバイトし、多くの死体に囲まれた暗い部屋で黙々と作業している様子が、この都市伝説のモチーフである」と断定する。
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1000162&media_id=90

 まあたしかに、アメリカ映画とか見ると、たいがいバディは、引き出しみたいなところにカチンコチンに冷凍して入っているから、今はそうなんだろうと思うのだが、昔はなかったのかね。ジツは、献体しようかと思い立ったときに、一番考えたのがこれだよね。ホルマリンに漬かって、どっかのあんちゃんに「いよう!」みたいなのは、けっこう陽気でいいかもみたいな。前にも話したが、いまだに岡大でやってもらえるなら、やってもらいたい気はするんだが、前に問い合わせたときに「今は余ってます」には、ちょっと驚いたのであった。
 警察官だった父に聞くと、火事なんかの現場検証とともに、解剖は後輩いじめというか、洗礼のいい機会だったらしい。何でもシャケが食えなくなったり、すき焼きが食えなくなったり、もちろん煮込みはガチだし、あと変わったところじゃ、カレーうどん。でも今は、帰省中とかいないし。とか、すごいことを言っていた。汚いラーメン屋とかだと、闇市の調理場思いだして、メシが食えないと言ったり、あるいはまた、ちょっとめまいがするとシュコシュコ何度も血圧計っているような小心者のぢぢいが、これだけガチになれるのかまったくわからないのだが、職業柄大丈夫なものは大丈夫みたいだ。恐ろしいのは、心の折れやすいうつ病体質のヤツをここまで規律訓練した職場であろう。