日本社会学会@立教 2日目

DAYDREAM TRACKS

DAYDREAM TRACKS

 2日目午前中は一所に居所を定めず、ぶらぶらする。レジュメゲットよりも、多少研究交流を深める方が優先。そういう人はけっこういるわけで、会員控え室は結構なにぎわいである。というか、非常にお菓子が充実していた印象がある。休日なのだが、講義の大学は多いわけだが、立教も例外ではなくキャンパスはいつもと同じにぎわいだった。
 昼は再びスープストック東京で。和風のショウガスープみたいなのを昨日は飲んだのだが、この日は鶏と野菜のトマトシチュー。野菜も鶏肉もたくさん入っていて、クリーミイでじつにンマイ。パンは隣のベーグルで買ったのだが、こちらの売店はイートインがなく、かつ東武にあるようなサンドイッチやくらむチャウダーのたぐいはなく、仕方なくブルーベリーのやつを買って、屋外で食べた。
 午後のシンポは、文化の社会学を。土着文化云々という主題の裏テーマは、「ヤンキー」であって、と司会の長谷さんが説明をはじめた。ナンシー関のヤンキー、ミーハー、オタクという三分類を引用するも、出典はわかんないっす、と、まあ、お約束なおとぼけ。それぞれのパネラーが対応しているということで、ヤンキーがバッドテイストよさこいの第一報告、オタクは疑いもなく第二報告、第三報告がミーハー、っていうことみたい。
 オータさんは久々にご尊顔を拝す。お元気そうでなによりだが、いなせに坊主刈りみたいにしていたのは、趣向なんだろうか。ミーハーというよりは、なんかスジものっぽい。ストライプのジャケツ、ボタンダウンのシャツ、はたまたジンベエ、もしかして下はピンクのスエットとか、まさかの寅壱が似合ってしまうかも、という勢い。なんかアート系映画の渋い脇役風。w 現在有数のテレビヲチャーの語りを楽しみに聴き始めた。

シンポジウム2 現代日本社会における文化変容:メディア文化と土着文化の狭間から
司会者 長谷 正人(早稲田大学)・寺岡 伸悟(奈良女子大学
1.「よさこい」をめぐる若者論の現在――<地元>文化のフィールドをふまえて――奈良女子大学 内田忠賢

2.「想像力の文化」としてのオタク――鉄道オタクのフィールドをふまえて――松山大学 辻泉

3. マス・メディアにおける「ヤンキー」のゆくえ――アイドル文化のフィールドをふまえて――太田省一

コメンテーター:難波功士関西学院大学)・小泉恭子(大妻女子大学

 三報告ともに、動画が映写されるという趣向で、なかなかに楽しい。含蓄が深すぎて、ついて行けないところも多かったが、かなり刺激的だった。「よさこい学者」というのが存在するとは思わなかったが、自分でやっているというのはすごすぎる。しかも、どんなもんだいと、踊っている動画映している。かなりジェラシー。土着なよさこいが土着なソーランとドッキング、そこら中でやっていて、踊っている連中は特にお互いを知っているわけじゃない。好きなところで踊って、別にかわることもある。踊りは阿波踊りみたいに難しくない。ここにいる皆さんも今始めれば、来週には舞台に立てるくらいダゼ。みたいな。選択縁のバッドテイストやんちー。でも、けっこう意地の悪いところも、ちゃんと見つめている。一番印象的だったのは、プーマとかの芋ジャーとかの調査する人いないし、みたいな指摘なんだけど。まあそれはともかく、土着とメディアの交錯をクリアカットして、とりあえずトップバッターやりました!みたいな。
 辻さんのテツオタの学位論文は話には聞いていたが、こんな形で聞くことになるとは思わなかった。相当ペダンティックに理論の知識が練り込まれていて、他方で真っ当な調査もきちんとできます、とパフォーマンスしていて、盛りだくさんではあるのだが、宮台、大沢、見田などの時代区分を重ね合わせて、そこに通底する論理をオタクの変遷でわしづかみにしてみせたのは、どうだ力技だろみたいな感じで刺激的だった。事実やデータをもとにして、丁寧に歴史を読みほどいているのは、批評用語などをちりばめてすませている研究とは一線を画すオーソドキシーぢゃね、みたいな。
 一応太田さんの報告は、様々な主体?像、というか文化表象というか、そんなものをめぐるパフォーマンスの構図をサクッ整理してみせた、というとちょっと単純化がすぎるだろうね。あまり力んだ構えがあるわけじゃなく、ごく普通のところに議論のポイントをつくって、それを太い論理で読みほどいて行く技量は、かつて卒論のときなどに臨機応変に面白いフレームを組み立ててみせて、面接を楽しい時間にかえていたことなどを思い出し、懐かしかった。
 研究会の人や、関係者には、もっともっと論じるべきことがあるとは思うが、第二報告、第三報告は極私的に感慨深く拝聴したため、学問的に距離をとって考えたのは第一報告の内容である。卒論で暴走族の調査をしたものをまたまた思い出しながら聞いていた。選択縁を求めて上京した若者が生きづらさに悩んで、帰郷して、学区別の暴走族に入り、地元を暴走することに開放感を感じた。そんなことを考えていると、太田さんが木更津ローカルの氣志團の話をしていた。その辺でとりあえず、交錯ということだけは理解。ただ、細かく読みほどいて整理するには、かなり時間がかかる。じっくり考えてみたい。
 コメンテーターのコメントはいずれも面白かったが、難波さんが内田さんの提起に応え始めて、おおおおお、と思ったが、昔みたいなブルファイトにはならないくて、ちょっとがっかり。まあ、ブルファイトするようなことでもないとは思うんだが。
 なんか冴えないまとめで、書くほどのこともないと思ったが、一応アップしておくことにしたいと思います。