地獄姉弟@六角慎司と播田美保

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 怨み屋本舗は、今回も2回完結前後編だった。なんとなくオーバーアクションなところはあいかわらずだけど、慣れてみると、そこそこパンクに見えなくもない。まず笑ったのは、六角慎司であって、斉藤洋介岸田森を足して2で割って若くしたような、わけわかめな俳優で、ウィキペディアによると次のようになっている。

  1993年に演劇集団ジョビジョバのメンバーとしてデビューし、2002年に活動休止後は俳優としてソロ活動開始。異様に甲高い声と尖った顎が特徴(ジョビジョバ時代はアントニオ猪木のものまねが持ちネタだった)。酒に弱く気も弱い、所謂いじられキャラジョビジョバ時代(初期)は公演ポスターの絵を手掛けており、絵が上手い。国語の成績は優秀で学生時代国語教師を目指していたが、教育実習で挫折。その後ジョビジョバのメンバーとなり現在に至る。最近メキシカンという敗者がテキーラを飲むダイスゲームにはまっているらしい。

 アントニオ猪木のもの真似が持ちネタだった椰子が、見せ場っちゃ見せ場のある、ヘンな椰子を演じて、岸田森みたいに心底病的で、やっぱきほん左翼ぢゃね?それとも鬼右翼、みたいな官能美はなく、へなちょこで、おねぇさまに踏みつけられる異様さが、チープでクールなのは、鬼笑いました。こういうのが、新時代だぜ、みたいなしゅちょうがあるんだかどうだかわからないが。
 で、このおねえさまは、播田美保という女優さんで、ウィキにも記載はない。江口のりこほどのインパクト(意見は分かれるかも知れないが)はないものの、熱演しましたわよ、という異様さで、特に、ニカッと笑った口元は、マンガ『パイナップルアーミー』に出てくるナゾの日本人テロリストみたいなカンジで、おおおお、と思ったんだけど、そんなボクのプライドwなんかをあざ笑うように、この笑顔が加速度的に連発されるシュールにはすっかり脱帽でした。この前の3人の銀バエウジ虫がシュタタタタとサブリミナルに連射されたのといっしょ。もう、なんか、デュランデュランのグラビアの美少女か、はたまたスピードグラファーか、みたいな。ググると、一応プロフは複数あります。
 で、筋立てだけど、こういう感じ。

人気のラーメン店の店主・武藤誠は、新人アルバイト・天祐寺剛太を雇った。
ところが、この男はとんだ曲者で、武藤や店に執拗に嫌がらせを続けた。
そのせいで店の評判は落ち、廃業の危機に立たされてしまう。
天祐寺に怨みを持った武藤は、偶然拾った「怨み屋本舗」の名刺を手に天祐寺への復讐を依頼することに…。
http://www.tv-tokyo.co.jp/uramiya/backnumber/05.html

 ストーカー的嫌がらせくらいで、社会的抹殺もないモンだと思うんだが、その辺から作品性を構築してゆくところが、作意なのかもしれない。今回の怨み屋本舗REBOOTは、頼み人のほうにもいわくありげで、単に実質的社会的に始末するということは、タゲって逝ってよし、というよりは、世の中にオトシマエをつけるというようなかたちで、怨みコンセプトを拡張している、みたいなくふうがあるのかどうなのかわからないが、なかなか玄妙な味わいになっている。演出の癖みたいなものにも、慣れてみると、まあこんなモンかな、と思わないこともない。だって、エリートヤンキー三郎の平均年齢40越えぢゃね、みたいなハイスクールドラマみていたわけだし。