期末試験雑感

 大学は試験週間に入り、そろそろそれも終盤です。監督に行った部屋に旅行バックを持ち込んでいる人がいて、帰省するのか、それとも旅行に行くのか、と思って、まじまじと見ていたら、目があってしまい、ちょっと決まり悪いものがありました。特に1年生は、初めての大学の期末試験であり、初めての試験が終わった解放感で、とてもうれしそうにしている感じです。
 しかし、社会学概論のテストには驚きました。ちょっと前までは、アホなやりとりばかりが記憶に残っていました。たとえばですね、「鼻かんでもいいですか」「え!うううう、いちいち許可得なくてもいいよ」「ティッシュ」「え!ないよ。トイペでもとってきたら」「え〜〜〜」、でうしろの先輩が「これを使いなさい」と渡したものをニコニコしながら開封し、でもって、チーンチーンチーンチーンという音が、静謐な試験室にこだましたのです・・・、とか。90分の試験なのに45分くらいで残り人数が1人だったとか。
 まあでも、今年はけっこう気合い入れて、テキストを要約して文章化したサブノート的なプリントを毎回つくり、まとめの問題で最後に総括し、でもって、試験はもちろん持ち込み不可即題というシビアさ。試験場に早めにいったら、けっこうみんな来ていて、マーカー引いたノートとか、プリントとか、興奮状況でみてやがって、笑いました。
 で、いちびりかえって言ったのですね。ヴァカぢゃね、問題をもれなくすべてできるなんてことは、この際どうでもいいのよね、つーか、つまんねーことが全部書いてあるより、一つしか回答してなくてもそれが鬼面白いほうが点がいい、というのが大学の試験というモンだぜ、と。そしたら、1人が「問題がつまんないからね」とか返してきて、おお!、近頃ではめずらしいのがまだいるのだな、と、少しうれしいものがありました。
 ところがですね。試験がはじまってビックリしました。まず、遅刻者がほとんどいない。いたのも、電車遅滞証明付きで、しかも少しの遅刻。さらに驚いたのは、人数数えたら、履修者が全員受験してるの。まず、他学科の教職履修者で投げたのが1人もいないというのもビックリで、頭が下がる思いでした。1年生は、いろいろな理由で放棄する人が出てくるのですよ。いろいろ思い悩むことがあるとか。ところが、完璧に来ていたので、ビックリしたわけです。
 というか、入学者全員が、無事必修科目を受験したというのは、なかなかよいことではないかと思うのです。元々うちの学生さんたちはまじめで、欠席者は少ないことは事実です。授業も静かですし。大学で私語が問題になり出したころも「最後の砦」などと言われたらしいですし、某2ちゃんによると、他大の先生が「ここはたいしたものだ。私語も注意すれば静かになるが、うちの大学は静かにならないからな」としきりに感心していたそうです。うまいことを言うモンだなぁ、と感心いたしました。
 それにしても、全員受けたというのは驚きです。ちょっと前までは、いろいろありました。相談に来た学生に、それやりたいならこっちの大学のほうがよかったかも、と言ったら、すぐにやめちゃったとか。あと、授業が気に入らないから、来年とりなおすと、試験答案に大きく書いて、叩きつけるように出していった骨のあるのもいたな、とか。
 もちろん、受ければ通るなどということで受けたのかもしれないし、舐められているだけとも言えるわけだけど、答案を見てみると、まあそんなにすてたもんでもありません。ちなみに、試験の狙いは、どんなに頑張っても半分くらいしか書けない問題を解答したスッキリしない気持ち、みたいなことが大事だ、とういことなんですが、後期の受講者が半減したら、笑えます。