新居昭乃 "ソラノスフィア"

 最近いろいろあって、マーシュマロウ黒百合姉妹もなにもかも、ライブに行き損なっていたので、ここはもう切符を買ってしまえば、と思って、新居昭乃のライブチケットを買い、行けないかもしれないと、冷や冷やでしたが、なんとか、行くことができました。と言っても、新居昭乃のコンサートに行くのは、品川教会に続き2回目で、いつもいっているわけじゃない。っていうのは、やっぱり箱?が大きいから。個人的には品川みたいな、基本ギターでかけ合いみたいなのがいいと思っていたから。
 あのときのギターは、ギター一本でも激しいものがあり、マイフェイバリットな「ガレキの楽園」について一種のゲシュタルトチェンジが行われた感じがします。比べて、みとせのりこのギタリストは、というかKircheというユニットは、非常に個人的にはツボなユニットなのに、今ひとつなのはほんとうに残念なものがある。と言うか、誰かがゆっていたけど、オーラの泉江原みたいだとか・・・。
 今回は、ほぼフルバンで、ギター二本。マーシュの上野洋子のように、目立たない位置で、黙々と弾いているプロデューサーが、スタイリッシュすぎるぜ、と思っていたら、新居昭乃が、キティちゃんのシールのように二次元的、とMCで紹介していて笑いました。底力のあるリズム隊と、おなじみのギターにバイオリンという構成で、さらに最後のほうで、柚楽弥衣が加わり、ものすごい盛りあがりになったHaleakalaに、ヲタたちは酔いしれておりました。 

降るプラチナ

降るプラチナ

ソラノスフィア

ソラノスフィア

01.鏡の国
02.Monday,Tuesday
03.ターミナル
04.きれいな感情
05.虹色の惑星
06.The Tree of Life
07.ノルブリンカ
08.印象
09.太陽の塔
10.Adesso e fortuna -炎と永遠-
11.夜気
12.Lhasa
13.ガレキの楽園
14.降るプラチナ
15.鉱石ラジオ
16.Orient Line
17.Haleakala
encore
18.Flower Crown
19.蜜の夜明け
20.at Eden

 品川では、2階席最前列だったのが、今回はアリーナ席最後尾。列の端。座りやすいことは座りやすかった。むかしほど幅はとらないにしても、横が片方というのは助かるし。しかし、最新鋭のホールで、人魂みたいな照明演出が最初から、眼を見張るものがあり、ソラノスフィアをあらわすマルとともに、全体の演出モチーフになっていたカンジで、かなり見事なものがございましたが、これはけっこう有名な人たちみたいね。なんかゆっていたけど、聞き逃した。DULL-COLORED POP??
 おとなしいフラットな音のなかにあるなにかに癒される感じが、CDを聴いたときの最初の印象で、ささくれだった気持ちのときによく聴いたのだけれど、品川のときも、そして今回も、かなりワイルドな音づくりというようなものを感じます。上野洋子のように、音があっちゃこっちゃヒュンヒュン転調し、リズムが変容し、チョースリルみたいなのとは異なるけど、なんかもっと王道の、バンプなロックみたいなカンジすらする。
 照明演出も、サイケデリックというか、フルクサスというか、鬼幻覚的で、これをバックに、たとえばジェファーソンエアプレインが、サムバディ・トゥ・ラブをコブシころころまわして、歌舞伎まくっていても、似合うと思います。ピート・タウンゼントが出てきて、暴れまくってもおかしくないようなアウラが漂う舞台に、落ち着いた影絵が舞い、そしてフラットに歌唱が進行してゆく、というのは、スゴイものがあったように思います。
 で、鉱石ラジオあたりからは、オールスタンディングでもおかしくないようなすごいことになり、でもって、柚楽弥衣がくねくねしながら、「KOKIA来いや!!」みたいなドスを聞かせていて、スゲかった。「ガレキの楽園」、「降るプラチナ」、「きれいな感情」、「ラサ」、「The Tree of Life」、と好きな曲をけっこうやったし、なかなか満足なものがありました。「夜気」が来て、「凍る砂」を期待しましたが、さすがに無理っすかね。どうでもいいけど、ドイツ公演かなんかの映像が久しく見られなくなっているわけですが、どうにか見られないものですかね。