何年ぶりかで麦酒と煮込み

 教育実習の巡回指導に行ってきました。一学年が2クラスだった。そして、昔の私のような落ち着きのない生徒はあまりおらず、みんな静かに聴いている。時々窓の外に気を散らしたりする者も若干いたし、気持ちが切れてうっぷしてしまうのも2名ほどいた。しかし、注意するとちゃんと授業に帰ってくる。粘り強く注意する忍耐が、自分には足りないということをまず反省した。
 授業は、研究授業にふさわしく練り上げた教案に基づいて実施されていた。指導項目ごとに、運営法、質疑、到達目標などが細かく描き込まれていた。今の大学におけるFD論をながめていると、大学教育においてもこのような努力が求められているカンジはする。学生の要求も、教員の学識もさることながら、それ以上に教育の腕みたいなものに期待しているムキはある。
 ただ、大学の授業内容は、話しているなかで模索したり、思考を練ったりという側面もある。もっとも、講述内容を文章化するくらいにまで練り上げて、話して、コメントペーパーを見て、・・・というやり方もあるので、あまり言い訳にはならないのかもしれない。とは言え、今年ちょっとだけ本気でやるつもりで、でもやりすぎはちょっとまずいかもと思い、6割方の力を込めてやったら、それでも2週間で泣きが入った。で、大幅に妥協したのだが、やっぱりいけなかったかな、と実習にお邪魔して思った。
 充実した気持ちになって、ちょっとどういうわけか煮込みが食べたくなった。調べていけばよかったのだが、浅草、上野、立石、深川、門前仲町あたりで、と思って出かけたのだが、結局一番近い上野でぶらぶらして、看板にてっぽう煮込みとあったので入る。煮込みとウーロンとも言いにくかったので生ビールをたのむ。煮込みはよく煮込んであって、臭みもなく、とても美味しかったので、尿酸値も省みず2杯食べまして、ビールは三口くらい口をつけた程度です。
http://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000127416.html
 はじめてモツ煮込みを食べたのは、大学1年の時に今はなき国立のみよし屋でのこと。いろんな部位が入っていて、なんじゃこりゃ、と思いつつ、好む人の気持ちは一瞬にして理解し、いろんなところで食べましたが、当時はあまり金もなく、凝ったものは一度も食べたことがないと言ってもいいです。
 いや、横浜の家の近くに尾張家という飲み屋があって、ここは弟の友だちがいて、時々煮込みをもらっていましたが、腸の部分のみで、しかもあえて残臭が残っているように炊いてあるカンジで、最初はうちの親なんかは、なんじゃああこのうそこみたいなのは、とかゆっていたのですが、味はコクがあってものすごく美味かったッス。これは逸品だったようで、店がなくなった今でも、時々昔を懐かしんで店を探している人に出くわすことがあります。
 で、神田っ子の煮込みですが、特に有名な店かどうかはじぇんじぇんわかりません。ただ、煮込みはコクがあって、横浜のワイルドなものとはことなり「残り香」もなく、でもって、モツはたしかに腸のみで、なんというかよく煮えていて、ホロホロ感すら感じるという、私の感覚ではかなり上位なカンジでした。甘みが気になる人がいるかもしれないなというのと、それと関連してもう少しキリリとしたカンジ、というか、ニューウェーブ系みたいなエッジの立ったカンジがいいという人もいるかとも思います。でもね、上野広小路ですから。w 
 てっぽうというのは、直腸のことで、小腸のようなビルビルな脂がついていることもなく、大腸のいいところをさらによくしたみたいなカンジでしょうか。鉄砲ということで、つまりウソコを撃ち出すということなんじゃないかと勝手に思っておりまして、ならばやっぱり一番キリリとした部分と言うことになるし、長さも短いから、貴重品みたいなことがあるのかもとか、思いますですが、想像の範囲を出ません。神田っ子はここの部位はまかしてくれみたいなところがあり、串焼きもありました。
 鉄砲の煮込みはどこが有名かと思い調べたら、成増の「黄金のてっぽう」というお店がヒットしました。特にてっぽうの煮込みを出すわけじゃないようですが、ここにも煮込みはあって、けっこう名物みたいです。煮込みラーメンとかあるみたいですし(って言っても、もしかすると永谷園みたいなやつかもしれないけど)。でも、てっぽうの煮込みというのと、黄金のてっぽうというのをならべてみると、正直笑いをこらえられないものがござました。