ちょっとだけよ、のリアル

 小向美奈子がかとー茶のちょっとだけよ、みたいなことをやって、話題騒然になっているわけだが、せいぜい「あの人は今」みたいなのでたいへんねー、くらいの程度のネタが、ちょっとだけよ、で、つまりはデラックス東寺だとか、九条OSだとか、はたまた道頓堀なんちゃら、ってもうないの?、だとか、蕨だとか、西船だとか、そんな昔から有名だったガチヤバなところでもないところで、やったくらいで、なんでそんなにオー騒ぎしているのか、と思っていた。私は、Vシネマ時代のエッジの立った好演に注目していたので、ついつい注目してしまう。
 ちょっとだけよ、みたいに思っていて、徐々にとか、くだらないことを考えていたが、それだとあそこまで話題になる理由の説明にはならないだろう。話題づくりが鬼無視された例なんて、いくらでもあるわけだし。それよりは、お祭り騒ぎのワイドショー的切り口がどのようなものか、楽しみにしていたんだが、仕込みの談話らしきものはなく、つまりはインタビューで語っていたのは、チャネラーっぽい椰子が多かったように思う。私は学生時代のことしか知らないのだが、当時のお客さんは、エレキコミックのやつい いちろうみたいなので、前歯が数本しかなくて、ぶらぶらになっているのとか、アホの坂田みたいなおやじで、薄汚れたTシャツ着て、無精髭はやして、酒焼けして、へべれけなのとか、ある意味なんというかどこか違うんじゃないのという微妙にずれた感じのケンドーコバヤシだとか、三国連太郎みたいな眼のコワイ好好爺だとか、そんな雰囲気だったけど。これを機会に、小向族とか、小向祭とか、はじまったら面白いとは思うけど、それはあまりに話がニッチ、ですらないのかもしれない。
 が、さすが東スポというか、なんか裏事情を意味ありげに書いている。つまり、それなりの裏情報があって、それが鬼ヤヴァイ文脈をカバーしているかもしれない。そう言われてみると、ザクザクいろんなネタが出てきたら、逃したら、記者的にはお目玉ではすまないだろう。あと実話週刊誌の勢力地図なんかを、週刊誌かなんかで見て、知ったかこいているようなネタ文脈においても、浅草というのは、なんとなくアツイ焦点みたいに思われないこともない。
 で、そんな重厚な、もしかすると国策ネタ?みたいなことについて、チラリチラリというのは、それなりに寓意があるみたいに思われるし、ロック座というちょっとだけよの殿堂において、ちらちらちらつかせるというのは、とてもスタイリッシュで、すげぇブラックだなぁ、と思ったりもするのである。いくつかのパフォーマンスについて、詳細に報道されたものもあって、芸能人としてのダイイング・メッセージみたいなのが、どこかにあるのかもしれないと思って、いろいろ精査したのだが、まったくわからない。
 サンジャポなんかも、なんかみんな勢いで、ボクもそっちはちょっとだけ知ってます、的な、中年おやじ的な識見とりあえず示しときます、的な暴言めかした大騒ぎをしようとしていたけど、ここでやれごるぁあ!というくらいが関の山で、ちょっとでも微妙な発言があると、こら!というガンが飛ばされていたりした。アッコにおまかせで、和田が、オレがこんどプロレスでやってやるとかゆったら、大笑いだけどね。
 資源的な価値のあるものは、跡形も残らないくらい消費し尽くすというような生き馬の眼を抜くような世界で、どのようなスタイリッシュがこれから見られるのか、ついつい注目してしまう。
 (追記)アッコにおまかせ、がはじまった。あとでまた書こう。w