MR.BRAIN:遊びじゃないッス、白と黒の勝利

 社運をかけて、つーか今月の製作予算の9割くらいつぎこんでね?というような勢いのMR.BRAINでありますが、結果として視聴率は25%弱で、最近としてはなかなかのもんぢゃね、しかも土7だしぃ、これから上がっていく可能性はあるシィ、みたいに思わないこともないが、しかし、おーずもうに週間一位をさらわれて、HEROとか、ロンバケとか、木村拓哉30%連発の頃と比べると、イマイチ君みたいに言われるだろうね。でも、この前OGでテレビの仕事している人に聞いたけど、今日日20パーも、キツイッス、みたいなことらしい。
 一応録画で看た。二年生のゼミで聞いたら、最初だけ看たというのが2人だった。んでもって、オーバー80のうちのおやぢは、なんと言っていたかというと、「ちょっと難しい。でもつまらないというわけではない」という微妙な言い方だが、まあ一応伝わっていただろうね。ぢいさまにも。もっとも日々の職人的労働の合間に、足繁く映画館に通った鬼のような映画フリークスだった人ではあったのだが。
 うちの父親は小学校しか出ていないのだが、警察という職場で法律という専門知を堪能し、余暇には映画という教養知を堪能し、さらには書架には映画の原作だったとおぼしき古今東西の書物がならんでいた。それはそれで、歴史的な偶然が与えた、充実した時間だったはずだ。
 比較して、個性や創造性、すべての科目ができるというような全面発達に教育政策や現場の教師がこだわるのは、勉強ができた人たちの自己肯定感のなせる技のような気がしないこともない。進学やマスコミという進路、公立や国立の入試科目に対する漠然とした肯定的感情に自分自身向かい合うとき、ときおりそんなことを考える。若者論をもし書くなら、そういうあまり根拠のない感情に踏みにじられた者の可能性、ポップを考えてみたいなぁ、とは思うものの、そりゃあ利用されるだけだろうな、とか思い、思いとどまるのであった。つーか、思いとどまる必要もないしゃびぃな状況なわけだけど。
 で、録画を見始めたら、速度感はあるし、シュタシュタトリップするし、映像にアウラを感じた。しかも、なんとなく、ッポク、今どきの映像をまねしただけじゃね?というようなものとは違う、風格のようなものを感じる。つまり、歌舞伎まくる大げさにも、もう一つの眼がキッチリ見えているような感じのアウラがある。速攻検索してみたら、責任者出てこい!みたいに言うと出てくるのが、蒔田光治。つまりは、トリック、ケイゾク、あとサイコメトラーEIJI。ボクのど真ん中だから、まあど真ん中と思っただけのことなんだろう。と、中森明菜のPVとかをビデオでみるのがスキな私は思った。
 舞台は科学警察の中枢IPS、なんか仕様が24みたいだけど、ずっと大がかり。というか、金使いまくり。蒔田光治なら、ガッツだぜでもなんでもいいけど、バウアーの真似する椰子が出たら大笑い、と思ったが、それはなかった。しかし、木っ端役でちょりーすがでていて、ヘキサゴン仕様のオバか小ネタをかますというきめ細やかさ。w つーか、最近の制作費だと、雛壇のセンタークラスを木っ端で使う、もうおーばんぶるまい状況に、思わずため息。
 でもって、爆弾事件頻発。えくすぷろーじょんはいいけどさ、映像の切れ味に比べたら、しょぼくね、と思ったら、「このレベルだとプロの犯行じゃないね」。ktkr 必殺の説明的セリフ。これが犯人の心理の伏線的説明だとすごすぎるように思ったんだが、まさかね。なにやっても上手というふうにいわれるだろう香川照之は、とりあえず流している感じとも言えるし、押さえているとも言える。
 ここでユースケサンタマリア登場。つーか、ショボ杉な役どころ。踊る、の存在感とは大違い。w つーか、まったくもって、鬼のように金使ってるな。これ。芸人ならべたSPと大違い。
 キムタコみたヒロインのねーチャンが、いきなり「かっちょいい」、はねぇだろ。w
 主題歌とか、この年齢層狙ってます、というか、TBSご自慢のあらゆる年齢層楽しめます仕様、資源フル投入の、主題歌@バンヘイレン。サプライズで、デイヴィッド・リー・ロスが出てきたらワロタが、さすがにない。ありえないことじゃないよな。ギフトでは、ブライアン・フェリーが出てきて、お得意のタコ踊り踊っていたし。
 さらに中高年タゲってますの小ねたは、キムタコお気に入りグラビアのアグネス・ラム。スタッフノリノリだったんだろうね。やっちゃう、やっちゃう、みたいに。で、キムタコは再三萌え〜、とか堪能してやがんの。これが、西川峰子だったら、死にそうにワロタと思う。つーか、時効警察なみに、小ネタ仕込みマクリで、映像はトリップしまくりで、なんでもかんでもなんでもかんでもありますみたいな。
 そして、ねえちゃん相手に脳科学ワンポイント講座ktkr。脳科学の勉強にもなります、的な、小中学生タゲりまくり、ということでしょうか。気に入られようと思ったら、左側の視界に入ればいい。つーか、なんだよこのヒロインのアホ炸裂の仲間由紀恵@トリック状態。w 蒔田、自己模倣は早くね、みたいに思わないこともない、とか、思っていたら、それをあざ笑うかのように、いきなり、「ヘモでつか??」。ヒサヤ大黒堂もぶっ飛ぶ、忍なネタ。わはははは。つーか、なんだ?ぷらんぱぁ、BBW垂涎ネタは??わけわかんねぇよ。つーか、ヒロインはワンポイント講座の聞き役、つーかヒーローの飲み屋こ会話みたいなもんかね。
 とまあ、おなかいっぱいになるような、小ネタ大ネタかましまくり。それでもとっちらからないという速度感とテンポは、なみならない力量である。蒔田、さすがだな。みたいな。
 で、瞬間移動ネタが出る。ってまた、アンフェアのおやぢ。志賀廣太郎。俳優ならべて、番組のイメージづくりして、サブリミナルにみろみろみろみろみろ・・・・。ってことでしょうか。なんか、いろんなドラマのパスティッシュみたいな映像が、シュタシュタ飛び交っている感じ。
 ネタ笑えまくり、大ネタは時流の事件を採りあげ、そして官僚機構のテリトリー批判。
 そして、そしてだなぁ、ドラマ空間を切り裂くような、キムタコの声を押し殺した決めぜりふ、ktkr「ボクも遊びじゃないッス」。もう、総毛立つような「間」。でも、ここまでみられた若者はどのくらいいたのだろうか。
 つーか、市川海老蔵もでてんの?鬼のように草食系・・・・の対極だな。w
 つーか、キムタココロンボか、みたいな。
 高島政伸。出てくるなり犯人です、という表情。ミエミエだが、これは名演というべきなんだろうな。わかりやすいネタと、謎解きというのは、サスペンス&ミステリーの定石だろうし。ただ、照れ隠しなのか、犯人の無意識の足跡みたいなネタとして、言い訳がましく説明的なセリフが次々に出てきたんだが、シュールなまでに次々なので、これもまた洗練とか思わないこともないよな。ねーちゃんみていると、時効警察とか、いろんなののパスティッシュ楽しんでます、みたいなのかな、とも思った。それももう古いといわんばかりに。
 で、最後のオチ。多くの視聴者のみなさまの予想通りですた、みたいな。灰色の世界に生きてきた高級官僚が呟く。「白と黒の世界に生きている椰子はうらやますぃ」。で、じゃんじゃじゃ〜〜ん、白と黒の勝利。凹みやすい、BPD仕様な人たちの味方だよ、この番組は、か、と思ったら、最後は、「欠落した脳」というイメージに話は落とし込まれ、さらにそれを寓意するオブジェとして、アグネス・ラム写真集。そして、お獅子のように、デイブがシャウトして、ちゃんちゃん。堪能シマスタ。人がなんて言ってもボクは面白かったし、毎週絶対録画してみます。