学会(笑)

 最近一番スイーツだったのは、WBCのときに、ねこもしゃくしも、日本チームのことをジャパンジャパンと言っていたことぢゃね?とか思う今日この頃。
 こめんといただいて、「ピアレビュー(笑)」というのが成立することを知る。というか、残念ながらいくつかの場所で耳にしても良さそうなものなんだが、ピアなんちゃらどうたらこうたらという(笑)は経験したことはない。なんだ、そのピアサラミだかなんだかわからねぇの、みたいな具合。学会の部会で、ゆう人がいたら、「ナンセーンス」「ヨーシ」とか、不規則発言などはしないまでも、なんちゃら家とか、歌舞いてみたい気はするだろうね。
 まあしかし、学会というのは、「スイーツ(笑)」な世界だということを再認識した。学会パフォーマンスというのは、存外「スイーツ(笑)」で、スイーツ脳な、スイーツパフォーマンスなんじゃないかと思う。そう思ってみると、いろいろなことが思い出される。
 1番目につくのは、報告が終わったあとにコメントする場合でありますね。司会が、「所属と名前を言ってください(笑)」と言ったときの対応は、自意識満開でなかなか悩ましいもんがあるということもあるんだろうが、お約束とも言うべきが「興味深いご報告でした(笑)」。報告によってはすごい嫌みになるし、報告者によっては美味くパフォーマンスできずに爆(´・ω・`)ショボーンなところに言われたら、だめ押しみたいなところがある。なかには、若手の大学院生などが、「興味深い報告ありがとうございました(笑)」というのもあって、ありがとうは、もはやトドメみたいな。w
 「ピアレビュー(笑)」とか、あと業績評価なんかで、話題になりやすいのは、「批評用語(笑)」、「思想用語(笑)」とかでしょうか。これはどちらかというと学会エスタブリッシュメントが口にすることばであり、インコミ論座に書きたいような人、つまりはブログ界隈な人たちはどちらかというと言われる側であろう。よく勉強しているが、ちょっと「批評用語(笑)」が目立ちますな、みたいに言うと、穏やかに言っても、まあ死刑宣告でございましょう。インコミ論座に書きたくても書けない、で学会誌に・・・なんて場合は、絶好の餌食。逆に、「批評用語(笑)」がないですね、というのは絶賛となる。わけわからないでほめる場合は、これに限るというのが、私の処世術である。
 似たのに、「コツコツ(笑)」、「実証的(笑)」というのもある。思いつきを批評用語にまぶして類型図式炸裂、みたいな議論は冷笑され、あからさまに何かを言われないまでも、削りに削って凝縮された一言でサクッと葬り去られる。史資料を分厚く集めたもの、何年も調査を重ねたもの、などは、文句ない説得力を持っている。労苦を重ねた妙味あふれるコメントならともかく、みようみまねのスイーツコメントとして、「サンプリング(笑)」、「代表性(笑)」、「典型性(笑)」・・・などいろいろなものが考えられる。もちろん言われる側にも問題がある。
 「用語の定義(笑)」とか、学問の初歩的な教訓で禿げしく批判を始める人もいるわけだが、その人のご自慢なものがわかって参考になることもある。学会での議論は、人のいいものを引き出すというよりは、自分のいけている部分をアピールすると言うことの方が大きいんだろうが、それにしてもそれにしてもということもあるよね。
 「・・・あたりの文献をおさえている(笑)」なんていうのもそうだが、魂を込めてあら探しをしあうのも、学問の楽しさなのかもしれない。私は誤字誤植が多く、よく指摘されるが、その指摘によってよりよいものになるんだからしょうがない。・・・などと、いくらでも「学会(笑)」をネタとしてならべることはできるのだが、ちょっとまずい気もしてきた。もはや過去のことで、差し支えないと思われるところを、おそるおそる言うと、「弁証法的(笑)」、「観念論的(笑)」、「マッハ主義(笑)」、「デボーリン主義(笑)」、「実存(笑)」、「人間的(笑)」などいくらでも思いつく。
 まあしかし、すべてはもの真似から始まるというのは、昔から言われていることで、スイーツな言い回しをしまくりながら、鍛えられていく面もあるんだろうね。まあ最近は「ほめられて伸びる(笑)」という人も多いだろうし。でもね、言ってもらえるのは、マシなんですよ。私なんかは、学会で報告し、帰ってくるまでの間、誰とも挨拶せず、口をきかず、質問もなくということが、何回かあった。無視ほどキツイものはない。最近の若い人たちは、けっこうそのあたりは社交的で、パフォーマンスにも長け、美味く学会をこなしているようにも思うことも多いからね。