最終キャラ「春日」

 いよいよ荷造りも終わった。あとは、細かい掃除をするだけ。大学に運ぶ荷物を持ってきて、ちょっとネットをする。スーツなどは大学におくことにした。やはり圧倒的にスーツは大学で使うことが多いだろうからだ。とは言え、使うのは冠婚葬祭がなければ、卒業式と入学式とアルバムの撮影の3回だけなのだが。ネットでみつけた、ラリー遠田さんのコラム。

  オードリー旋風が勢いを増している。昨年末の『M-1グランプリ2008』(テレビ朝日)で準優勝を果たした前後から人気に火がつき、今ではテレビで彼らの姿を見ない日はないと言ってもいいほどだ。特に、胸を張って悠々と舞台に現れる強烈キャラの春日俊彰は、その節約家ぶりでも注目を集めている。家財道具一式を拾い物で揃え、パンの耳を主食にするその日常生活の模様は、テレビや雑誌でも頻繁に取り上げられている。


 オードリーの2人がこれほどの人気を博した最大の理由は、何と言っても春日の個性的なキャラにある。一度見たら忘れられない独特の外見と言動で、M-1を契機に全国の視聴者に強烈なインパクトを残した。だが、ここで1つ考えなくてはいけないことがある。キャラ芸人が大勢いるこのご時世に、なぜオードリーの春日はここまで注目されているのだろうか。春日は他のキャラ芸人とどこが違うのだろうか。その問題を突き詰めていくと、「春日」というキャラの仕掛け人である相方の若林正恭の巧妙な戦略が浮かび上がってくる。


 春日のキャラ芸人としての最大の特徴は、他の言葉で置き換えられない、まさに「春日」としか言いようのない特徴を持っている、という点だ。例えば、狩野英孝なら「ホスト」、髭男爵山田ルイ53世なら「貴族」など、キャラ芸人には通常、何らかの下地となるモチーフが存在しているものだ。だが、春日にはそれがない。テクノカットでピンクのベストという異様な風貌。胸を張って悠然と舞台に現れ、言うことだけは大物気取り。漫才では相方の若林に的外れなツッコミを入れ、決めぜりふは「ウィ」「ヘッ!」「トゥース!」など。他の言葉では表すことのできない、まさに「春日」としか言えないキャラがそこには存在しているのである。


 そもそも、今テレビで活躍している「春日」の正体は、相方の若林が中心となって一から作り上げた人工的なキャラだった。数年前、春日の技術的な未熟さから、自分たちが正統派の漫才を極めることができないと気付いた2人は、春日のキャラを立てる「キャラ漫才」へと芸風の転換を図った。そして、試行錯誤を経て、少しずつ現在の「春日」のキャラを作り上げていったのである。ボケに対してつっこむのではなく、ツッコミそのものがボケているというオードリーの「ズレ漫才」は、こうした過程の中で生まれた。


 昨年のM-1での敗者復活と決勝ファーストラウンド1位という結果は、若林が磨き上げた「春日」というキャラが1つの到達点に達したことを示すものだった。全58組の芸人の中から見事に敗者復活を果たしたオードリーの漫才は、話芸の技術の粋を尽くしたNON STYLEのハイスピード漫才を制して、決勝ファーストラウンドで1位の評価を受けたのである。


 NON STYLEは昨年、「M-1優勝したいんですツアー」と題したライブツアーを敢行するなど、常にM-1優勝を意識しながら1年を過ごしてきた。だが、正統派漫才師への道を一度は挫折しているオードリーには、いい意味でそのような気負いはなかった。オードリーは敗者復活から勝ち上がり、「春日」という最終兵器を持ってM-1決勝の舞台をぶっ壊しに来た。そして、その試みは見事に成功し、優勝こそ逃したものの、彼らはある意味で優勝者よりも人々の記憶に残る準優勝者となったのである。


 DVD『キャラ☆キング おいっ!サイコ野郎!!の巻』は、芸人たちがオリジナルキャラに扮して人気投票で1位を目指すという趣旨の番組『キャラ☆キング』(テレビ朝日)をDVD化したもの。ここでもオードリーは、春日がアメリカかぶれのヒゲ面の父親を演じる「アメリカン親父」というキャラで、第1回、第2回と続けて人気投票1位を獲得している。長年かけて春日というキャラを育ててきた若林にしてみれば、そこにもう1つ新たにキャラを乗せるのはたやすいことなのだろう。若林が世に放った春日というモンスターが、これからどこまでお笑い界で暴れ回ってくれるのか、大いに楽しみなところだ。
(お笑い評論家/ラリー遠田) (日刊サイゾー - 02月11日 08:10)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=53&id=747140

 このコラムのポイントは二つあって、ひとつはオドリーがバカ売れのポイントは春日の存在感というか、キャラなんだけど、そのキャラが「春日」としか言いようがないもんだみたいなこと。最終キャラ「春日」というのには大笑い。もう一つは、そのキャラをつくったのが若林ということ。インパクトと技術のオードリーというのは、さっくり理解されて、実にわかりやすい。春日を下手とかゆっちゃダメだっつぅことだろうな。
 しかし、春日は春日だよな。他にそんなのいるのかなと思ったが、どうなんだろう。さんまはさんま、タモリタモリ、たけしはたけし、欽ちゃんは欽ちゃんなんだろうが、春日とは違うよな。あっちは自走式ロボットというか、操縦者いらないわけだから。w若林がショタというのも笑えるわけだけど。ひとつ思ったのは、鳥居みゆきは、なんなんだ?まさことか、数子とか・・・あれはキャラなのか?かといって、キングクリムゾンねたってわけでもねぇだろうし、難しいところである。