花束

 卒論も3人を残してほぼめどが立った。その3人はまあ書けるやつだから、心配はしていない。今年も楽だった。数年前半分くらいCつけるつもりだった学年のときは、本当に泣きそうだったから、非常勤1回休講にしたっけ、などと思い出す。今年は、他の仕事もサクサクこなしている。しかし、よく書けているとたった二文字「OK」ですませたいのだが、非常に細かいところまで神経を行き届かせて、表現や文章のつながりを点検しているので、驚く。こういうところから学べば、自分の書くものも多少マシになると思うんだが。横浜に帰ってきて、ネットを見ていたら、次のようなみくしにエントリーがあった。またもや俗流社会調査系のネタだが、まあこういう素材を豊富に取りそろえ、人々を日記に誘うみくしの手際は、あざといまでに鮮やかである。

【コラム】花のプレゼントは女子にナゼ“鉄板”なのか?

 花を贈られて喜ばない女性はいない、という神話は根強く存在している。男性向けの恋愛系ポータルサイト『恋タメ』の調査によれば、「花をプレゼントされると、うれしいですか?」との問いにNOと答えた女性は15%。あながち神話も間違いではなさそうだ。男性の場合、うれしいというより「持って帰るのが恥ずかしい&めんどくせ〜」「で、どうすんのコレ。飾れっつ〜の?」と考えがちな人が自分も含めて多いと思う。デリカシーゼロで申し訳ないが、男性に比べて女性の方が花を愛めでる傾向にあるのはなぜだろう? 女性心理に詳しい恋愛カウンセラーの清水おりえ先生に聞いてみました。


 「女性の感性の象徴のようなものだからでしょう。カラフルで美しく、いい香り、柔らかい質感。花には女性が好きな要素が揃っています。妙な下心を感じさせなければ、とくに好きでもない人からのプレゼントでもうれしいものだと思いますよ。基本的に女性には、お姫様願望が刷り込まれています。擬似的にでも、花を贈られるという状況はその願望を満たしてくれるんですね。花が好きな女性は男ウケもいいですし(笑)」


 ほう。ならば、嫌味なくサラリと花を女性に贈れる男は好感触ってことですか。しかし、どんな花を贈ればよいものか。上司世代にはカスミ草の花束が流行したそうだけど…。こちらは、代官山の老舗花屋さん『Florist IGUSA』に聞いてみました。


 「今は、お客様の好みも多様化していますから一概にはいえません。その前提で話すなら、やはり色も種類も豊富なバラ、あとはカサブランカ、大輪のガーベラなどが人気ですね。カスミ草は昔のような人気はないと思います。ただ、なにより花を贈るのはシチュエーションが大事。どんな場で、どんな関係の相手に贈るのか。それを伝えてくれれば、こちらも見繕いやすいですね」


 ちなみに、女性に花を贈ったことがある男性は20%というデータもある。これは盲点、ライバルは少ない。たまには花で株をあげてみてはいかが?
R25編集部)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=681459&media_id=29&m=1&ref=news:right:noteworthy

前から言っているが、私に花束は猫に小判だ。卒業パーティのときも、かならずもらうが、最近はかならず学生にあげている。ゼミ幹事か、ゼミ幹事が遠慮した場合は、全員で分ける。たぶんパーティの契約との関わりだけだと思うのだが、ガチで花束を贈りたい、この点だけはゆずれないという学年もあった。だったら、白菊でも入れたら面白くないか?といったら、マジギレし、かつ絶対持って帰れ、ということで、しかたなく持って帰って、花瓶もないし、風呂場のバケツにぶち込んでおいたら、枯れてきて、朽ち果ててくるさまは、とても美しかった、などと、ガキでも書かない俗情をかき立てられるさまは、考えようによっては滋味であったかもしれない。
 男子校だったこともあるが、学生時代片思いに懊悩し、女性との接し方をその道のベテランにたずねたところ、「花束でも贈ったら」と言われたのを思い出した。そんなことができるくらいなら、苦労はないと思ったが、逆に言えば、そんなこともできないなら、やめておけというようにも聞こえた。まあしかし、情熱と思いやりがあれば、ビギナーもへったくれもないだろうなぁと、今では思う。そのくらい勉強に集中していた時期があったことは、悪いことではなかったとも思うが、精神神経を患い、10年以上苦労する結果となった。
 その間にいろいろあって、勉強はズタボロになったが、他の面では進歩したと思う。そういえば数年の間だったが、花束を年に何回か、オーダーメイドして届けたことがあったのを思い出した。あれはかなり自然だったと思うし、あの頃が人生の頂点だったかなぁと思う。その頃は前任校で、不細工なマネをする男子学生の相談によくのった。昨日までの自分を思い出し、懇切丁寧に話を聞くだけだった。そして、多くの連中は玉砕していった。だいたい相談が必要なんてこと自体が、結果は見えているだろう。でもボクは、ものすごい赤い薔薇の花束だとか、胡蝶蘭を20本とか、気合い入れてしまう人々の味方でいたいと思っていた。そして、気合いの結果は、もらった方の学生が相談に来て、こちらは爆笑になったりするのだが、笑いつつ、なんでこういう恥部をチクるの?と、ちょっとだけ憎しみをもったりしたが、それはまんざら花束はどんなもんでもすてたもんじゃないということかもしれないなぁ、と言ったら、すげぇ怒られたこともあったなぁ。今の学生たちはそれに比べると、信じられないくらいスマートで洗練されている。