おしゃべりクソ野郎と毒舌ゲロ野郎

 サル岩石の有吉といえば、虎の門とか、東京ローカルで細々とやっているだけになってしまった転落芸人で、「貯金あるのかよ」みたいな話になり、若いモンに「有田さんまじやばいっす」みたいにゆわれている、新豪遊芸人くりぃむしちゅー有田なんかが、「じぇんじぇんねぇっす」みたいに嘯くのとは異なり、「100万円☆」とかゆって、「おまい、リアルすぎねぇ?」とか、あまりのベタさにフルボッコになっていたのは記憶に新しい。でもって、なんと前代未聞放送中にローゲーリバースしまくってしまったというのは、もはやエレジーぢゃんみたいであったのだが、最近よく眼にするなぁと思っていたら、その事情がようやく分かった。最近忙しくてあまりテレビをみなくて、録画もたまり放題だったので、まったく知らなかった。つまり、なぁにが雛壇芸人だクソ野郎とばかりに、ポジションモロタとばかりにくり出したラッキーパンチが急所をとらえ、一発屋じゃないポジション得てしまったかもしれないらしいのだ。しかも、いじられるのには慣れているし、面白い味わいになるだろうなという期待はある。和田とかにいわれて言い返すみたいなシチュエーションも、出川なみに頭が切れたら、ポジションいただきかも、みたいなところはある。みくしに、非常に詳細で的確なコラムがあったので引用しておきたい。

お笑いコラム【この芸人を見よ!01】有吉弘行が手にした「毒舌の免罪符」

(日刊サイゾー - 10月01日 08:10)
 悪口を言って笑いを取る「毒舌キャラ」を貫くのは難しい。ブラックジョークの伝統が根付いていない日本では、人を悪く言うことは基本的にタブーとされているからだ。


 しかも最近のテレビ界は、昔よりもはるかに規制が厳しい。バラエティ番組でのちょっとしたイタズラや口論が「いじめにつながる」などと批判されてしまうご時世だ。日本の風土にも馴染まない「毒舌キャラ」のポジションは、お笑い界でも長いあいだ空席であった。


 そんな中で、意外なところから毒舌界のニューヒーローが登場し、世間を騒がせている。言わずと知れた元・猿岩石の有吉弘行だ。有吉は『アメトーーク』(テレビ朝日)にて、品川庄司品川祐を「おしゃべりクソ野郎」と命名。品川という芸人の本質を突いたこのフレーズが話題を呼び、いまやテレビで彼の姿を見ない日はないというほどの人気を誇っている。


 今の有吉は、毒舌キャラに必要な2つの条件を備えている。


 1つは、鋭い批評精神があること。的外れな悪口をいくら繰り返しても、人を笑わせることはできない。今まで誰も言っていなかったけれど、実はみんなそう思っていた、というようなことを悪口の形で提示できれば、それがブラックな笑いを生む。頭の回転が速く、的確な批判を瞬時に繰り出すことができる有吉には、毒舌の才能があった。


 もう1つは、悪口を言っても許される人間であること。知っての通り有吉は、デビュー当時に『進め!電波少年』(日本テレビ)のヒッチハイクの旅で大ブレイク、一時は日本中で知らない人はいないというほどの人気者となっていた。しかし、ブームが過ぎ去るとみるみるうちに落ちぶれて、明日の生活にも困るほどの絵に描いたような転落人生を送ることになった。


 雑誌『m9』(晋遊舎)のインタビューで有吉はこう語っている。


「売れない時期が続いてやさぐれたっていうことで、『やさぐれて当然だ』っていうバックボーンは作れたんじゃないですかね」


 頂点からどん底への転落、という経歴を持っているからこそ、有吉の放つ毒には捨て身の力強さがある。そして、その経歴を視聴者の多くが知っているからこそ、どぎつい発言がぎりぎりのところで中和され、大きな笑いにつながっているのである。


 そんな有吉が今年2月に発売したDVD『我々は有吉を訴える』(監修/マッコイ斉藤)は、彼の負の側面に焦点を絞ったフェイクドキュメンタリー。『電波少年』の企画を髣髴とさせる東北横断のヒッチハイクの旅の中で、心優しい田舎の人々を相手に食い逃げ、押し売り、番組詐称と悪の限りを尽くす。どこまでがリアルなのかわからない有吉の悪行とそれをとがめるスタッフとの緊迫したやりとりまで、一部始終が収録されている。


 今のテレビ界には、有吉ほどの精度で他人を傷付ける毒のある笑いを量産できる人材はほかにいないだろう。また、一時は頂点を極めながら最底辺まで落ちぶれた、という点で、有吉ほど強力な「毒舌の免罪符」を持っている芸人もなかなかいない。


 2つの条件を満たしたからこそ実現できた渾身の毒舌芸。底辺からはい上がった男がやっとの思いで獲得した地位は、しばらく揺るぎそうにない。
(お笑い評論家/ラリー遠田
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=53&id=623197

 だけど、「おしゃべりクソ野郎」というコピーがなぜここまでブレイクしたのかは、アテクシにはまったく理解できない。理解できないというのは、わるくゆっているわけじゃなくて、感覚がついて行きませんという、情けない話なのだ。例の、問題になったとか成らなかったとかゆう、品川は司会も上手いし、べしゃりもいいし、本も出したし、何でもかんでも上手いけど、お笑いだけはダメダメ君みたいなのはわかるんだけど。ここ10年で、まったくJ−POPのヒットチャートについていけなくなった。カラオケをしなくなったこともあるだろうが、あまりツボな曲が流行らないからだ。お笑いも、バラエティも、だんだん感覚がついて行かなくなっていっているンだろうな、としみじみ思った。というか、まったく面白くないと思っていたはねとびが、ゴールデンにいって、大人気番組に成っているという時点から、理解不能の徴候はあったんだけれども。とりあえず、アッコにおまかせで、和田になんかゆって欲しいね。