石井ちゃん報道管制

 五輪終了後も帰国した選手のテレビ出演があいつぎ、もうやたらソフト選手が大注目で、上野投手他一同引っ張りだこの状態で、瞬間最高5割近い数字をはじき出したネタへのテレビ局の健啖家ぶりがうかがえるの図となった。とあるマスコミ関係の友人が、「この世界柳のしたにドジョウは何匹でもいる世界」と言っていた。品格、脳といったキャッチワードの出版物が、ご本家によって連発されるのはもちろん、とんでもゾッキの類に至るまで、何らの恥じらいも躊躇もなく出版される。この前も本の企画会議をしたときに、今出すんだったら、「『蟹工船』の社会学」でも出したら、そこそこ売れちゃったりするかも知れないところが怖いよな、みたいな話題になった。
 それはともかく、なにか忘れていたと思っていたら、昨日久方ぶりに石井ちゃん@柔道の雄弁を拝聴し、こいつそういえばぜんぜん出てねぇぢゃんということがわかったので、朝一でネットをみたら、各社しっかり報道していた。さすがと言うべきか。一番詳しかったのは、占いコーナーが一部芸能人にも評判ということで、私もよくチェキしている日刊スポーツである。

石井しゃべりも“黒帯”でもTVなし

8月27日10時49分配信 日刊スポーツ
 テレビ出演させてくれ! 北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストの石井慧(21=国士舘大)は26日、都内で行われた日本選手団の解団式に出席した。17日の帰国後、テレビ生出演はゼロ。日本男子監督であり、大学の斉藤仁総監督(47)ら首脳陣が、石井の奔放な言動を危うく思い、出演を自粛させているとみられる。石井はしゃべりでも勝負できるところをみせたいと訴え、解団式後に行われた首相表敬訪問などでも、ユニーク発言を連発した。
 解団式を終え、文部科学省表彰式会場に歩いて移動しながら、石井はおもむろに口を開いた。「テレビ(生出演)が1つもないんっすよ。テレビにもっと出たい」。他のメダリストが続々とテレビ出演しているなか、8月末までのスケジュールに1つもなし。取材予定には、専門誌である「近代柔道」の名前だけが書かれていたという。
 北京から帰国後、今後の取材などの予定が分かると聞き「前々から楽しみにしていた」。しかし、フタを開けてみるとテレビ出演ゼロ。畳の上だけでなく「しゃべりも実力を見せたかったのに」とショックを受けた。全柔連によれば、石井にも複数のテレビ出演依頼がきていたという。だが、金メダル獲得直後のインタビューでの「屁(へ)の突っ張りにもなりません」「遊びたいです」発言に代表される奔放な言動を危うく思い、斉藤監督ら首脳陣がテレビ出演にストップをかけているとみられる。
 普通の選手なら、表向きだけでもしおらしくなるものだが、石井は違った。他のメダリストとともに首相官邸に赴く前には「福田首相ゆとり教育のことを話したい」と予期せぬコメント。官邸では「斉藤監督が(その場に)いなかったからプレッシャーなく」自ら首相に握手を求めて笑いを誘い、「握手して首相のすべてが分かった。純粋さが伝わってきた。腹黒くないので人気が出ないのではないか」とユニークな分析を報道陣に披露した。
 まさに規格外だ。記念の金メダルは、尊敬する格闘家の小川直也バルセロナ五輪柔道銀メダリスト)が主宰する「小川道場」に飾ってもらうという。「メダルが近くにあると過信するので、ない方がいい。金メダルがすべてじゃない。ゆっくりするのは死んでからでもいい」。公式行事をこなしたあと大学に戻り、1人夜のトレーニングを行うと宣言して、姿を消した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080827-00000020-nks-spo

 テレビでは、「握手して首相のすべてが分かった。純粋さが伝わってきた。腹黒くないので人気が出ないのではないか」の部分を各局が報道していた。こういう無類の練習好きの未完成交響曲みたいなドラマは、けっこう日本人が好むものだろうし、けっこう好意的な切り口で取り扱われているカンジはする。偉いさんたちが、ストップかけるのは、まあわからんこともないよね。なにをさえずりまくり、なにをうたいまくるか、見当もつかないからね。セーム・シュルトとやりたい、くらいのことは言いそうだからね。とりあえず、ハッスルと、吉田と、あと坂口セージさんで、ヤキを入れるってかんじでしょうか。東スポが、沈黙を保っている、というか、あまり目立った動きはないのだが、何を言い出すか、ちょっと楽しみだ。まあただ、東スポもこういうところではけっこう硬派なかんじもするんだけどね。ぬるぬる柔道着宣言、とか、足を取ってくるようなやつらはみんなパイルドライバーにしてやる宣言、とか、見つからなければサミングありまくり、とか、石井ちゃん紅白出場宣言、とか、とんでもないことはまあ書かないだろうし。しかし、なんとなくカメに似ているようで、似ていないというか、カメと言うよりはチャンプになりたてのころの辰吉に似ている部分もあるカンジもするのは、石井ちゃんの凄みなのかも知れないなとは思う。しかし、取材が「近代柔道」だけというのは、ちょっと笑った。CSくらい出してやってもいいんじゃないの。あと、NHKの録画番組くらい。