オープンキャンパス

 横浜に帰る途中電車の車内広告をみていたら、中央線にうちの大学のポスターが出ていた。学生のなかで同意した人の写真を随時用いているようで、ポスターのあり方としていろいろ意見があるようだ。この点私は直ちには判じがたいところがあるが、高校生がひとりポスターを凝視しているのに気がついた。在学生の姿は、なかなかのモチベーションになっているのかも知れない、と思った。オープンキャンパスなどでも、教員のほうの相談ブースが閑古鳥の時間帯でも、学生相談のブースはごった返しているというようなこともあるようだ。
 なぜこんな話をするかといえば、9日、10日とオープンキャンパスなのであった。どこの大学もこの時期オープンキャンパスを行っている。いわばシーズンなのだ。東京女子大学も現代教養学部立ち上げ時期で、大学としても正念場のオープンキャンパスとなる。私も模擬授業をする。これまでは青少年心理の社会学というような主題で、自分の研究や卒論の研究を素材にして話してきた。暴走族の青年の聞き取りをした卒論や、沖縄に行く若者への聞き取り調査をした卒論などをよく採り上げた。とてもいい卒論だし、旧社会学社会学コース=新学部国際社会学社会学専攻における学びの一典型であると思うからだ。
 卒論を好んでとりあげた理由は、うちの模擬授業は、旧学科=新専攻の説明をした上で、模擬授業という順序となっており、旧学科=新専攻における学びを卒論に即して説明することで具体的にいろいろ知っていただけるのではないか、と思うからである。もちろん授業の雰囲気を知っていただく必要もある。私はローテクなので、一切視聴覚装置は用いず、年によっては板書のみでやっていた。しかし、最近は多少はなにかお持ち帰りいただく方がよいと思い、ハンドアウトを作成している。そして、今年はついに視聴覚教材を少しだけ使ってみようと思っている。
 する話は、サブカルチャーなのだが、訪米した日本の首相が敬虔なキリスト教徒で道徳的にも篤実なアメリカ大統領に向かって歌った歌はなんだったか、という有名なエピソードをモチーフにしながら、サブカルチャー社会学的に考えることの意味や、その実例について簡単に考察してみようと思っている。一つ悩みがあって、この分野の卒論は、マイナリティの文化研究をのぞけば、名作というほどのものがあまり見あたらないのである。かといってマリナリティの文化を説明するのではちょっと集まった方に違うと言わるように思う。悩ましいところである。
 模擬授業もさることながら、キャンパスの様子、大学街の様子をいろいろ見ることも、オープンキャンパス利用の大事なポイントではないかと思う。うちの大学の場合、吉祥寺のほうは各種ガイドブックがあるが、西荻はネットなどでみるしかないところがある。しかも、カフェにしても、古書にしても、骨董にしても、着物などの類にしても、あまり目立たないところに目立たない店構えであるのだ。なにせそういう情報に疎いので、ここに書いたことのあるものとかは少ない。というか、食い物屋ばっかり。ポムドテール(ベーグル)、ニューベリーカフェ(軽食とカフェ)、それいゆ(カフェと鉄骨パスタ)、こけし屋(レストラン)、坂本屋(中華だけどカツ丼)、真砂(ローストビーフ)、鞍馬(蕎麦)、カンラン(広島焼き)、アテスウェイ(ケーキ)。大学から一番わかりやすいのは大学正門ななめ前のアテスウェイでしょうね。でもやっぱ食べてみるべきなのは、学食ではないでしょうかね。