今井舞:「ポスト・ナンシー関」?

 土曜日は炎天下ウォークを敢行。大岡川から蒔田付近へ、そこから中村町へと返し、山谷付近から米軍基地入り口へとのぼり、平楽、唐沢、打越橋と歩いて山手に抜け、女子校通りから、山手公園、元町公園と抜けるルート。土日のプールは混雑しているので、主にクールダウン用となる。熱中症になるほどの熱さではなかったが、汗が噴き出したので、スポーツドリンクを買って脇にはさむ。飲んで、はさんでとくりかえせば、まず大丈夫だと思うが、禿げかかった頭髪に帽子無しは、まずいのかもしれない。昔は、熱射病になるからとよく麦わら帽子などをかぶされたりしたことを思い出す。BGMは、RadioheadのGo to Sleep。There Thereとどちらがいいかと言えば微妙だけど、リフリフから憑依みたいな展開が単純化されて、かつマニアックに作り込まれている感じはけっこうツボである。モノノケダンスほど早く歩くことはできないんだが、アレを日中はやばいと思う。
 今井舞のドラマ評論が面白いので、どんな人なのか調べてみた。まずはてなダイアリーでは、ナンシー関を引きあいに出して、その舌鋒を讃えている。「ライター 東京都生まれ。大学在学中から雑誌ライターとして活動。美容・コスメ系を中心に、フッション、映画、インタビューなど、分野を問わず貪欲に執筆。近年は、『週刊文春』『週刊朝日』などのテレビ評が評判で、「ポスト・ナンシー関」と呼ばれている。(但し、彼女がこのように呼ばれることを好ましく思わない人も少なくない。)」
 上から読んでも、下から読んでも・・・という趣向や、「大学在学中から」ということである卒業生の顔が思い浮かんだ。在学中から活動していたって、まさかと思ってさらに調べたら、その著作の自己紹介みたいなところに次のようにあった。さすがにちがうということがわかった。芸風がちょっと違う。今井は、知識や取材というよりは、眼によって勝負する感じだし。

女性タレント・ミシュラン

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 【文】今井舞(いまい・まい) ライター 東京都生まれ。肛門期はまだ終っていないが30代半ば。小学校から大学まで過ごした、バカばっかりの女子校にて、知らず知らず女を見る目線が鍛えられる。大学在学中から雑誌ライターとして活動。美容・コスメ系を中心に、フッション、映画、インタビューなど、来る仕事は分野を問わず貪欲に受ける。女性誌男性誌の両方で仕事をした経験から、同じタレントが、男女でまったく違う捉えられ方をすることに注目。あまたのタレントたちの、根拠なき「意気揚揚」の理由を探りつつ、独自にこの16パターン分析を編み出した。
http://www.blueorange.co.jp/books/ishiguro/talent.htm

 自己紹介みたいなのを見ても、なかなかなものがあるなぁと思う。フロイトに引っかけた諧謔は、私ってけっこう見てるでしょ、みたいな馬鹿面さらした上から目線とは異なる。細々とした観察、その目線の底意地の悪さは、「女子校出身」というのを見て、禿げしく納得。心ならずも十年以上女子大に勤めておりますと、ほおほおと思うところが、随所にありましたから。筆力は、ちょっと大仰だけど、なんとなくバカっぽくかいているふうなところもあり、西原理恵子みたいになってゆくといいかなぁ、でもそんなこともないのかなぁ、などと思ってみたりする。
 一部ファンの激怒をあざ笑うかのように、ナンシー小関とコラボするとかし始めたら、面白いだろうと思うけど、そこに限局してゆくタイプの筆力ではないのかもしれない。分類にあるような週刊誌の透き間埋めてます的な小ネタっぽさが、とりあえずの一生懸命なのか、それともそこにあり得ないような新しいなにかが秘められているか、ちょっと今大注目なのである。人気者研究には、重要な風俗資料だろうし、体系的に追っかけてみようかなぁとか思い出している。