コードブルー

 なんか最近やたら携帯に迷惑メールが多い。学生に聞いたら、学生たちのところにも逆援助とかいうのが届いているらしく、ランダムなんだなと納得した。今朝来たのには笑った。銀行の支店長とかゆう女の人が、あなたに一億円あげたいの☆みたいな内容なのね。寝ぼけ眼で見て、腹抱えて笑って、すっかり目が覚めてしまった。いくら何でも嘘がダイナマイトすぎやしないか?しかも今日だけで2回も来た。何度みても笑える。と同時に、引っかかる人は・・・などと考えると、怖くなって、思わず腎臓のあたりをさすってしまった。
 ドクターヘリをまたみてしまった。岡山時代お世話になったある先生は、ヘリがなければ絶命していたところを、ヘリのおかげで助かった。まあそんなこともあるにはあるが、こういうものは基本的にかならずみるのだ。私は、エマージェントな状況フェチみたいなところがあり、緊急なんちゃらみたいなできごとがリアル身辺であったようなときも異様に萌えてしまったりするところがある。救命救急ものについては、それだけではない。昔パニック障害だったころ、不安物質が激烈に分泌されたりすると、急患で何度も病院に駆け込んだ体験があるのだ。不安物質が全開になっていること以外は、悪いところのない若者を文句一つ言わずにみてくださった人たちがいた。救急の部屋には鬼ヤバイ人たちもたくさん運ばれてきて、いろいろなものを目にした。
 ドラマの主人公は、それぞれのプライドと欠点をもった4人の若者で、キャラクターがはっきりと決められている。白馬の王子だとか、あてどなく探し求めてくたびれ果てた自分の個性だとか、才能だとか、そういったものは微塵もなく、自分にも鬼厳しいところのある若者が、それぞれのプライドを妥協なく磨き上げていく仁王立ち歌舞伎まくりは、なんとなくスポコンか!とツッコミを入れたくなるようなところもあるけど、クロサギ山下演ずる若い医者をはじめとするダメダメ君たちの情けは無用と自分をフルボッコにしてゆくところなどは、努力、根性といった言葉が好きなおっさん垂涎の物語であると言えるかもしれない。なんとなくまたもやへなちょこ若者エール系のドラマかとも思ったが、ワーキングプアでもいいではないかみたいな、蟹工船ワーカーホリック状況の地獄ありありぢゃね?みたいな、悪魔のささやきととれないこともない。
 言い訳しないオヤジのプライドと、自傷する若者のへなちょこが、なんとなくなんとなく、ウツを媒介にして、もしかするとさ、それって同じ紙の裏表ぢゃね?みたいに考えているんじゃないかなぁとか、いろいろ考えさせられた。少なくとも、言い訳がましい椰子らに疲れ果てた人間には、至上の癒しを与えてくれる番組と言えるのかもしれない。
 全開の腕の切断というイメージもそうだったが、今回も核となるイメージがはっきり出ていて、今回はブラジャーなんだね。救急で運ばれた強面のおっさんの唯一の趣味というか、人間存在の虚焦点wみたいになっているのが、ブラジャーで、おちつく、みたいなこと。くすぐりがすぎやしねぇか、と思ってみていたら、4人の青年のプライドが対比的に描かれ、最後の1人のプライドミッション完遂ということが、このブラジャーと深く関わっていて、この若者の崇高なプライドがゲラゲラするオチになっているという、ものすごいことになっていてぶっ飛んだ。何日か前に駐車場でうんこし続けてトッ捕まった人もぶっ飛ぶような、存在の底のようなものがぬらっとゆらめくと、恋人に鼻つぶさせた醜型恐怖のねぇさんが包帯越しに妖しく笑った顔とか、生き返ったばあちゃんの眼とか、助かった赤ん坊とか、一連のイメージがシュタタタタタタとドミノたおしみたいになって、すげくねぇ??つうよりも、なんつうか、鳥肌ものだった。
 どんな椰子が脚本書いているのよと思って調べたら、医龍とか離婚弁護士とか書いている人なんだね。趣向が一人歩きして小指たちマクリってことではなく、あくまでも見やすい作品であると思うし、プロっつぅのは、やっぱしすげぇなぁと、ひたすら感心してしまいました。ただ視聴率は16%くらいになっていたけど、時間帯とか考えるとこれはこれですごいんだろうね。