宮迫千鶴さん逝く

 今日も関東社会学会に行ってきた。今日は朝から理論部会に。ハーバーマスの公共性論の報告二本がおもな目当てだったが、民族誌に関わる研究サーベイスーパードライ誕生と関わるネットワーク分析など、なかなか有益だった。
 学食が休みということで、外へ昼メシに出る。南大沢のクビ大付近は、メシ屋も増えたが、休日だったのでものすごく混んでいた。一件とんかつ茶漬けというのに目をつけていたのだが、身体にもよくないし断念。で、ちょっと霊感がはたらいたというか、付近にまだなにも店がなかった頃にあったモールみたいなところの飲食街に行ったら、はたして空いていた。で、目星をつけて入って食べたらけっこう美味しかった。
 午後はテーマ部会の人口減少社会のほうへ。経済学の報告が一つと、社会学の報告が二つ。司会のAさんもおっしゃっていたが、なんて経済学というのはクリアーなんだろうと嘆息するとともに、究極社会学はニッチなの?とか思ったりもしたのだが、司会者により社会のコンパクト化と価値という問題提起とともに明晰な総括が行われ、ちょっと元気になった。帰りに入り口付近でたむろしていたら、学生さんに挨拶された。誰かと思ったら、聞き覚えのある名前で、・・・非常勤で行っている大正大学の受講者の人だった。学部のうちから学会というのはすごい向上心だと思う。志願して夜間のクラスにしてもらい、熱心な人が多いと思っていたが、学会には驚いた。うちの大学からは、かろうじて博士課程の人と会ったくらいだったし。帰りは土曜日といっしょで中山からグリーンラインにのり国際プールへ。時間が遅いので3000メートルだけ泳いで帰った。
 帰って新聞を見ていたら、訃報がまた載っていた。宮迫千鶴さん逝く。

伸びやかな絵画と、女性の視点からの発言で知られた画家・評論家の宮迫千鶴(みやさこちづる)さんが19日、リンパ腫(しゅ)で死去した。60歳。

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 広島県出身。自然をテーマに、明るい色彩と自由な構成による絵画を発表する一方、戦後生まれの女性の感覚で、美術批評や家族論などを展開した。1988年、静岡・伊豆高原に移住。自然や生命をめぐる思索を深める一方、夫妻で草の根型の芸術祭を提唱し、運営の中心を担ってきた。主な著書に『イエロー感覚』『海と森の言葉』など。
(2008年6月20日19時16分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20080620-OYT1T00628.htm

 この人の『イエロー感覚』とか、ちょっと新しい感覚でものを書いていた頃のものをよく読んだ。80年代後半にまだ女性学関連文献を集めて読んでいた頃、この人の本が一番しっくり来るなぁと思っていた。飲尿療法みたいなことを論じだした頃から、本を読まなくなってしまったのだが。

イエロー感覚―不純なもの、あるいは都市への欲望 (1980年)

イエロー感覚―不純なもの、あるいは都市への欲望 (1980年)

 25年間どうさだだと、魔法が使えるようになるんだお、と青年は思っていたという。私はダブルスコアな人を知っている。ダーティチェリーとかゆって、渋くイーストウッドしていたビターテイストな美学が充溢していたが、ちっとも魔法なんて使えてやしなかった。