顔顔顔顔顔

 体脂肪の検査をしたのだが、え!とかゆわれて、みてみたら「おかしいなぁ」とかしきりにあたまをかしげている。??と思って聞くと、22.2だという。そりゃおかしいや。もう一度お願いしますということで、もう一度計ったらかわらない。んなことないよな、とかあと二度くらい計って、自分で希望してもう一度計ったが、結局その値。むかしほどじゃないけど、けっこう腹は出ているし、いろいろ脂肪吸引の余地はある。わけわかめだが、内臓脂肪はないってことかもしれない。中性脂肪の血液検査は下限を下回っていて、内科の先生もそれはあるかもしれないということだった。これを維持すれば、メタボ検査もさほど怖くないと思う。はっきり言えることは、かなり運動量を増やすと中性脂肪は容易に下がる。もう一つは、松の実やクルミなどを定期的にとるようにすると、良性のコレステロールが増えたり、けっこういいことがあるみたいだ。
 木曜は社会学概論で、一限からある。そのまえに、「スッキリ!!」をみたら、ものすごい映像を流していた。アキバの事件の容疑者のネット書き込みだ。恐ろしいまでの容貌へのコンプレックスが充溢しているものだった。「顔が悪いのはダメ」「顔が悪いから」・・・「顔」「顔」「顔」「顔」「顔」。声を落としたナレーションにあわせて、容疑者の怒アップの顔写真が入れ替わってゆく。「顔」「顔」「顔」の次は、おしゃれをしようにも、服のセンスがトホホだみたいなことで、「服」「服」「服」「服」・・・。でもって、何でもかんでも人のせいにして、「親」「親」「親」「親」・・・。ダダイストを意識した、「皿皿皿・・・」という例の詩を思い出してしまったりした。
 ネットに書くと、かまってくれる女性がいたみたいだ(まあこれもネカマのいたずらかもしれないわけだけど・・・)。なだめすかし、それでもすねている。「しずかちゃんだって、出来杉くんよりのび太を選んだじゃない」とかゆわれて、「のび太はきめるときはきめる」などとすねつつも、なんかまんざらでもなさそうだったのが、そこでちゃちゃいれて、何かがキレた、などとうそぶく展開になっている。
 番組を見終わっても、「顔」「顔」「顔」・・・というナレーションが残響し、容疑者の顔写真が残像となって残った。なんか、例の蓮乳とはまたちがう、なんとも言えない嫌悪感がこみ上げてくる映像だった。なぁにが、スッキリ!だ、真逆ぢゃねぇかよ、とか思ったけど、まあよくできた映像だとは言えるんだろうね。まあそれ以上に私も容貌へのコンプレックスを子供の頃からもってきたなぁと思うのだ。中学生くらいから精神神経科に通い出した一つのきっかけはそれだったかも知れないとすら思う。そして私は28歳で就職するまで、アルバイト生活だった。
 だけどさ、容疑者の場合は、私に比べれば相当いいだろ。つぅか、このくらいのテニサーはごろごろしていると思うけどね。ただ、逝く道逝った破壊的ヴィジュアルより、普通の人のコンプレックスのほうがより深刻なのかなぁとも思う。違いは、勉強は嫌いじゃなかったことと、あとお節介な男女の友だちがたくさんいたこと。まあ前者はそれなりのよりどころにはなったと思う。後者は、ずけずけいろいろ言われたことが鮮明な記憶になっている。
 「愛されたいだとかだいそれたことを思わないで、距離とってればけっこう笑えるやつなんだから」「珍獣系は思ったより嫌悪されないモンだぜ」「親はどんな見にくい子供でも愛情を感じるものだ、それといっしょだ」「欠点や弱点はけっして愛されない。それを愛されたいと思うのは最大の傲慢」「いやいや、デブ好きもいないことはないから、片っ端からデブでもいいか?と聞きまくれば、ひとりくらいエエよというのがいるぜ(って、フランチェンかっつうのw)」「あいつはデブだけどオマエと違ってそこそこもててるじゃん。どこが違うか考えてみろ」。一言一言はっきり覚えている。
 こうしたことばで決定的にどうにかなったとは思わないし、いまだにくすぶっているものはあるのかもしれない。でもまあ、必死で言ってもらったことはけっこうありがたかった。理屈は参考になったし。しかし、一つのまなざし、一つの笑い声、一つのことばが、逃れようもない存在として、人間をピン留めにしてゆく。私も容疑者もまなざしの地獄のなかで生きてきたことはたしかだろう。ただしもっと大事なことは、理由もなく突然命を奪われることは、比較にならない地獄だということだろう。精神的にも身体的にも死ぬことは何倍も苦しいつらいはずだ。ただし、ひとりの個人が国家と化して、テロや戦争をしたのだとすれば、こんな理屈も無意味なんだろうが。
 ショーパンに平成ノブシコブシが出ていた。コンバットで快調に飛ばしていたのにやめたから、ほされたのかと思っていたら、そうでもなかったのね。しかし、深夜じゃなかったら、パニパニパーティだけは打ち切られるんじゃないか。韮沢やばすぎるし。