CHANGE:グッとくるギャグ?

 たばこを自動販売機で買うのにカードが必要になったということで、個人商店の人たちが困っているらしい。カードを普及させるということだけなら、コンビニとかでもカードがないとたばこを買えないようにすればいいわけだが、猛反発が起こることは必定だろうなぁ。カードをもつことのインセンティブとか、いろいろアイディアはあるだろうけど、導入に踏み切った人がちゃんと考えるべき問題であることだけはたしかだ。カード発行のためのキャンペーン用のバスが日本に一台というのは、本当なんだろうか?それじゃあさ、京都の四つ葉のクローバータクシーみたいなモンだろ。
 大学に出てきて、仕事のあと昼休みにCHANGE をみるのがこのところの日課だ。総裁候補内定と思ったら、あっとゆうまに総理大臣にナッチまうという、鬼早い展開には圧倒される。YAWARAが巨人の星でギャグしてみますた、というようなモチーフだったことは、浦沢直樹がゆっていたが、このドラマもそんなふうなもの、つまりはショムニとか、ハケンの品格だとか、そんな風なものだろうくらいに思っていたんだけど、そんなわけでもないのかね、と思わせるような、なんかそれなりの奥行きのようなものを感じたりもする。ウェブ日記に「企みが深い」とか書く人がけっこういそうだ、というか。
 ともかくキャスティング&キャラがピシッと決まっていて、実に見やすい作品であることは間違いがない。キムタコも、カバチタレも、トリックも、振り向いたらヤツがいたヤツも、ルビーの指輪も、蒲田行進曲も、紋次郎も、そしてプールバーに水着もっていった椰子も、シュタシュタとキャラを刻む。YAWARAのオッシャー!!はどうするのかと思ったら、庶民代表の中華そば屋の夫妻が設定されている。もう笑うしかないウルトラドキュソとも言ってもいいような可憐でピュアな展開のなかで、魑魅魍魎な悪意や権謀術数が歌舞伎まくり、んでもって、「正論で制御できる鬼扱いやすい椰子」とかどす黒いセリフまでもしっかり口にさせ、パワーゲームのあり方はシンプルで力強くわかりやすく、そこに「顔だけは(・∀・)イイ!!」、しかし頭脳明晰の素質のカケラもないキムタコが、「みなさんの目線」から、「皆さんといっしょに」、「わかりやすく」などと連呼し、鬼盛り上がってしまう。
 権謀術数も、選挙戦略も、それなりに筋の通った政治意識も、官僚や知識人の洗練された専門知識も、すべてを蹴散らして、わかりやすい政治が凶暴なまでに疾走する。ギャハハハハと腹を抱えて笑いつつも、正直ちょっとグッと来てしまったりする瞬間がないとは絶対に言い切れず、あたまポリポリしながら、てへへへと笑う。たぶんガチで泣きながらみている人だっていないことはないんじゃないか、とすら思う。キムタコの選挙ポスターが、右手を挙げているのも、なんか饒舌に作り手の作意を物語っているようで、これからの展開もあるけれど、これまでにない新趣向ってカンジがしないこともない。楽しいよ。これ。
 しかし、困ったことがあると、長野の小学校に帰り、ため口よびすてなガキと対話しながら、“Miles Away”というのはちとわかりやすすぎないかなぁとも思いつつも、まあBGMでアコースティックスローテンポ、たとえばピアノソロみたいに流れて、アジアの少年のように物思いにふけるみたいなことは、今のところないから、まあそれはそれでいいかなみたいな。でも、これから何かあるたびにバックレて、深津「あそこぢゃない」、阿部「決まってるよな」みたいなことで、小学校に行ってみると陽がうるむ刻に、小学校の校庭でアジアの少年になっているキムタコがいるみたいなことが、お約束になり、さらにはガキに勇気をもらったキムタコが、クラーク・ケントのようにめがねをはずして、変身!とかゆうお約束みたいなことがでてきたら、すげぇありじゃないかと思うのであった。
 次回は官僚の話みたいだが、外交、やすくに、環境、などいろいろなことがとりあげられていくのかなとか、興味は尽きない。