CHANGE怒punk

 『週刊文春』のドラマ署名記事は、楽しみにして読むものになりつつあります。それでさんざんなゆわれようなのが、CHANGEで、マドンナの音楽は本国で流行るわけねぇようなフラットなモンだし、阿部寛ドラゴン桜みたいだけど、なんのテクニックもなくて、げき飛ばすだけだし、なんなんらぁ・・・と書いてありました。
 そんな記事を読みながら、録画しておいたCHANGEを見ますた。なんなんすかね、これ。いや、つまらないってわけじゃなく、キムタコと加藤ローザ阿部寛深津絵理のかけ合いとかすごく楽しいし、退屈しないで最後まで見れます。阿部寛の役どころが韮沢という名前で、鬼イカレタパフォーマンスは、ブログの韮沢を思い出して、噴いてしまったりするし。筋立ても半端じゃないんだよね。一応フジテレビのサイトから引用させていただきました。

そんな中、啓太が住む家にいきなり韮沢が転がり込んできた。さらには補欠選でウグイス嬢だった後援会会長の姪、宮本ひかる(加藤ローサ)までが啓太を慕って突如家を訪れてきて、手伝うと言い出す。冗談じゃないと、理香は止めようとするのだが、韮沢の口ぞえもあり、ひかるは啓太の側にいることとなった。
啓太は生方恒男(石黒賢)という若手議員と知り合う。議員だった父親の急死で、いやいやながら立候補したという生方に、啓太は親近感を抱く。二人が食堂で、そんな話をしているとニュースが鵜飼総理のセクハラ疑惑を報道した。


もともとスキャンダルのあった鵜飼総理にとって、今回は責任逃れの出来ない大惨事。内閣支持率も、ついに消費税以下の4%。逆に、啓太の人気は留まるところを知らない。そして、ついに鵜飼総理は辞職を表明した。 その日は、啓太が神林と食事をともにすることになっていた。だが、啓太のもとに村山(泉谷しげる)という男が陳情に来て引き止められることに。理香は、早急に済ませろと促すのだが、啓太は取り合わず村山の話に聞き入る。
一方、啓太を待つ神林のもとには、小野田朝雄幹事長(中村敦夫)、二瓶栄(神山繁)、外務大臣の垣内達彦(大林丈史)という政友党の重鎮がそろっていた。居合わせた人々に神林は、次の総理を誰にするのか? と、問う。けん制し合う重鎮たち。すると、神林はひとつの提案を持ちかける。 ようやく村山が帰り、啓太と理香が神林の待つ料亭へ急ぐ。二人が謝りながらふすまを開くと、すでに神林ひとりしか残っていなかった。神林は、啓太の遅刻を責めるようなことはなかった。それどころか、総裁選に立候補するようにと啓太に告げて…。
http://wwwz.fujitv.co.jp/change/index.html

速攻総理になるっていうから、時は流れて・・・ということかと思ったら、もういきなり新人で総理でしょ。でも政治のことなんか何も知らない。利用するタヌキ親ぢたちも、清潔なイメージと、絵面の良さだけだと思っている。持ち上げるメディアも、ファッションがなんチャラとか、ブランドがなんチャラとか、恋愛がなんチャラとか、もうチャラチャラで、「こんな政治家みたことない」、ってそりゃあ見たことねぇだろうっていう勢い。
 キムタコの信念は、それなりに可憐だが、ムキになってやるのは、一切の感情移入を許さないような、猫屋敷のぢぢいのボダわがままな愚痴。愚痴愚痴愚痴愚痴・・・ゆって、奥さん思い出して号泣して、満足して帰りやがんの。こういう等身大の相談にのるキムタコ(・∀・)イイ!!、サイコーとか、言うような人は、まずいるとは思えない。もうゲラゲラするしかない。というか、ガミガミゆう深津絵理もいるわけだよね。
 政治家のタヌキオヤジ、ヒヒぢぢいの類に、重厚な演技者を使っているのも妙味だよな。特に半落ちの寺尾。ルビーの指輪の頃のチャラさはなくて、宇野重吉も草葉の陰で感涙のカレセン路線の演技。このオヤジがさ、それなりに企みや信念があるようにも見えるんだけど、まったく空っぽの大馬鹿野郎に見えないこともない。伊東四朗のニンニンな残像が笑っている、ははははは、と兼田みえ子も歌い出しそうな勢い。しかしまた、その辺から強引に何らかのリアリティが作られていかないとも限らない予感がある。この辺のすりりんぐは、けっこう楽しいドラマを猛烈にパンクなものにしていると思う。ここまでやればいいんじゃないの、みたいな落としどころも、わかっているぜ、確信犯だぜと言わんばかりの見せ方は、ありだと私は思います。
 硬派の政治ドラマとか、バカにもわかる政治の仕組みとか、身近な等身大の世界と政治を結びつける想像力が重要だとか・・・いろんなふうにみえる。それにしてはダメとか、野暮なこと言わないで楽しめばいいんじゃねぇの??そんないろんな落としどころをそれなりにパスティッシュしてみせて、キムタコなカタルシスにつながっていくみたいなことなのか、そんな俗情をも乗り越えるぜみたいなのか・・・みたいなこともどうでもよく、途中からまさかのキメぜりふでちゃうとかなのか、 まさかね、とかワクワクしながら見ればいいんじゃないの。仕込みに仕込んで炸裂するラストみたいにならないとも限らないし。
 時代劇なんかは、上様が忍びで町方の飲み屋とか行っちゃうわけだし、同心が仕事人だったりするし、趣味で捜査するオダギリズムなボンバーヘッドな警察官もいるわけだし、極道なセンコーもいるわけだから、これはこれでいいと思うよ。なんか久しぶりに毎日のようにドラマ見ていて、みんな面白くて、来週が楽しみだし。