国会王子?

 録画してあったCHANGEみました。なんか視聴率では、ごくせんのほうがよかったみたいですね。長野の山奥の小学校から話ははじまる。主人公は、政治家の子供に生まれながら、親に勘当され、信州大に進学し、教師になった椰子=キムタコ。信州大という設定は、星がきれいなところということ。つまり、星が好きな素朴な人柄、ガキにいじられつつも、なかなかイイ先生をやっているという次第。そんな若者が、親と後継者の兄が氏んで担ぎ出される。CHANGEというモチーフはスポンサーのトヨタのCFにも使われている。あすなろ白書のキムタコが、華麗なる一族のキムタコにいきなり変身する。ドラマもそんな話なんだろうなぁ、などと思いつつ見た。
 電車の車内広告をみていて、華麗なる・・・だとか、あるいは弘兼マンガのような、ハードボイルドな政治ドラマを期待していた部分もあるんだが、今のところそんなカンジではない。なんか深津絵里が出ていると、かばちたれたるでぇ、みたいな感じにみえてしまうというか、そんな存在感で、ドラマをぐいぐい引っぱる。他方、阿部寛が出ていると、トリックのとぼけた感じをちょっと含んだドラゴン桜みたいにみえてしまったりもする。加藤ローザが出ていると、アフリカのツメ広田レオナさんのコーナーのタコな三択クイズや、イイヨイイヨ松本伊代などを思い出してしまったりする。畢竟、どらまはちょっとチャラけたものに見えないと言ったらウソになるだろう。
 深津演じる秘書は、他はダメポでも「顔が(・∀・)イイ!!」とめちゃくちゃな理屈で、後継候補を決める。他方、阿部演じる選挙プランナーは、鬼単純なスローガンやコピーで、選挙戦略を推敲していく。そういうシンプルで力強い権謀術数の上で、キムタコの可憐なまでにまっすぐな信念がキラキラと輝く。思わず笑っちゃったけど、笑っちゃいながら、ヨゴレちまったこの國の・・・というような、つまりはリンゴの歌の時代のというか、あるいは敗北を抱きしめた日本のシンプルな理想主義が、今時の若者の純白と二重重ねになり、ちょっとずるくなればさ、国会王子だぜ、みたいに語りかけているようにも見える。こういうふうにみえちゃうのは、ちょっと若者について、いろいろ議論されている問題にひきつけて考えすぎるてるんだろうかねぇ。つーか、このあとキムタコは国会に行ったと思ったら、ソッコー総理になっちゃうらしいし、どうなっちゃうんだろうか。寺尾聰中村敦夫というキャスティングにニンニンの伊東四朗がソーリっていう配役も、まったく先が読めないよね。
 フジテレビのサイトには、若い椰子垂涎の歌舞伎文句がならんでいる。「落選すれば、理香が自分を政治家にするのをあきらめるだろうと踏んでいた啓太。しかし、慣れない選挙戦に初めは戸惑っていたが、徐々にやる気を見せ始める。それは、教員として日ごろ子供たちにアウトになると分かっていても全力で走れと教えているからだった。」「最後の街頭演説に挑むことになったとき、啓太の父、誠の過去の不正が新聞紙上に躍る。対立候補の戦略だった。それでも予定通り、演説を始めた啓太だが、対立候補の仕組んだ野次に、素直に頭を下げ、父の不正を認めてしまう。」このあと、落選確実になったあとに、おっしゃぁあああ、ですからね。ただまあ、情動の炸裂感という点では、髪をほどいて、眼鏡を外し、「こいつらの学校の先生だYO」にはおよばないかもしれない。あるいはまた、佐藤隆太@ルーキーズのフルボッコなキメもない。要するにぐだぐだ、っつぅか。なんか、すげぇ脚本とかも遅れていたらしいし、なんか確信犯なんですかね。